松本大洋「ナンバー吾」(漫画)
松本大洋は息子が尊敬してやまない漫画家である。おかげで「ピンポン」も「鉄コン筋クリート」も読ませてもらった。細いペンのみで描く世界は漫画というより芸術作品といえる。 「ナンバー吾」は遺伝子組み換えを駆使して創られた超人的な能力をもつ平和戦隊「虹組」の物語である。それぞれのナンバーに漢字があてられ、「吾」はもちろん「5」。主人公のはずなのだが、その生い立ちからなぜ反乱を起こしたかも謎のまま。連れて歩くマトリョーシカという女は何なのか、王(ワン)の狙いとは、と読者を惹きつけていく。 映画の「2001年宇宙の旅」を思い出したと言うと、息子たちがどんな映画?と関心を寄せてきた。最近こうして自分が見たり聞いたりしてきたことを息子たちに語る機会が増えて喜ばしい。 ネットで検索してみたら、松本氏の母は、児童文学、詩人の工藤直子さんなのだそうだ。やはりただ者ではないのだと、妙に納得してしまった。工藤親子もさまざまな話題で盛り上がったりしたのかな。すごい人ってたいていお母さんがエラいんだよね。父親はあんまり関係ないみたい。