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空はとんび

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チームバチスタ、連ドラだって

　チーム・バチスタの栄光の連ドラが決まったということを昨日のＣＭで知った。　白鳥は誰？と期待したのだが、中村トオルだって。ふううむ。田口があの電車男の子だから、あんまり似たキャラでは目立たないと踏んだのかな。やはり自分の中では白鳥はドランクドラゴンの塚地だよな。　このところ連続ドラマを見ることはあんまりなかった、といいかけて、ふと考えてみたら、ＮＨＫの木曜日のフリースクールのやつとか、ついこの前終わったヨン様の大王なんとか（題名すらまともに覚えていないのだが）ってのもけっこう毎回見ていたことに気づく。篤姫はだいたい欠かさないし。ああ、けっこうテレビ見てるんだあ。　つまりあれですね、民法のドラマを久しく見ていないってことですな。　この前携帯を変えた。広告に０円とかあったし、凹りんがパケット代１４万を越したときのポイントが貯まっていると期待していったのに、なんだかんだ３万近くのものを買ってしまった。最近は通話料が安くなっているから本体は高いのだそうな。広告には下の隅っこのほうに「光と契約の方」とかいろんな条件が小さく書いてあった。なんか嫌だなあ、こういうの。そこまでして競争したいのかよって思っちゃう。　話は飛躍するかもしれないが、昔は不良だけが髪を染めたり、校則違反の服装をしていたのだけれど、最近は普通にみんながそういう格好をしているのと似ているような状況だと思うのだ。昔と言っても自分らが小さかった頃だから３０年ほど前か。あの頃は近所にテレビを直せる技術を持った人がいる電気屋さんがあった。その電気やさんへの絶大な信頼があった。　でも、今コジマだって山田デンキだって、口先以外の技術を磨いているとは到底思えない。　携帯やさんのお姉さんはマニュアル通りにしゃべっていた。つい意地悪心を起こして、「これとこれの違いは何なの？」とかの質問をいくつかしてみた。案外かわいい子だったので結局買っちゃったんだけどね。あのおばさん、どうでもいいことばっか聞いてたね、って今頃女の子同士で髪をいじくりながらしゃべっているんだろうな、きっと。

2008年09月30日

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ちょっと落ち着いたので

　この前の二科展について、あまりに簡単だったので。。。。　これがぺぺりんの作品です。　Ｂ４ぐらいの大きさのを４枚並べています。　彼は他の人の作品との違いにだいぶショックを受けているようでした。　実家から写真を送れと催促があるので、いちおうとっておきました。　それから国技館でのひとこま。　　土俵入りのときの場内アナウンサーです。計算カードみたいにして読み上げていました。　それから水上バスからの景色。そういえばだんなといっしょだったけど、東京では雨に当たりませんでしたねえ。行き帰りは雨でしたけど。　あ、加工するの忘れてました。う○こビルは元々聖火の炎で縦にするはずだったのが、安全性の問題で横にしたのですってね。どうみても、う○こですね。　昨日凹りんから電話がありました。原宿ラフォーレでの展示会搬入に遅刻したとか。ぺぺりんの日記に載ってます。　これは期間が短いのですが、今度保護者会もあるというから、そのときにでもまた東京にいってみようかと思いました。そのときはひとりがいいなあ。あはは。

2008年09月28日

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安住洋子『日無坂』

日無坂　江戸市井の人情豊かな物語です。実は安住さんとは個人的にお話したことがあります。とはいっても直接ではなく、あるネット文学サイトで拙作に感想をお寄せくださったことがあったというだけですが。安住さんはその後『しずり雪』という作品でデビューして、新聞にも絶賛された期待の新人でした。　薬種問屋鳳仙堂の跡取りになるはずだった伊佐次は、父親に反発して堅気の道から外れ、今は賭場を預かっています。ある日十年以上会っていなかった父親にすれ違いますが、その直後父親は川に落ちて亡くなってしまいます。父親の死の謎を追う伊佐次に、父への思いが募ります。　あらすじを書いてみて、ミステリー調にしてもよかったなと思いました。博打でとんずらした夫の尻拭いで妾になった女性のことも、もう少し詳しくしてみたら、艶も出たかなとか。でも、伊佐次の魅力は十分伝わってきます。できすぎの父親をもつ息子の苦労、現代にも通じるものがありますね。　江戸物を読むとなんだか落ち着くのはそこにきちんとした道徳があるからでしょうか。ほんとは現代でも行いたい優しい振る舞いが素直に表現されていて、懐かしく読むことができます。安住さんはますます江戸に沁みこんでいきましたね。　また続編も書いてほしいなあ。いつでもそっとそばに置いて読みたくなる、そんな作品でした。

2008年09月27日

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また勝利

　エスパルスがまた勝った！これで３連勝。やっと一桁までこぎつけた。　せっかくテレビ中継したのに途中でいや開始早々でうとうとし、気がつくとだんなが消していた。　見ると負けるジンクスがあるのでそのままにしておいたら、やっぱり勝った。　大相撲も実際に会場で見たら全然違ってたので、今度はサッカーを見に行こうかと思っている。でもそのときはあまり勝利を賭けた試合ではないほうがいいのかな。　だんなは夕べから熱を出している。ここ数日手首が痛いと言っていたが、おそらく通風である。でも密かに整形外科にいってきたら通風ではないかもしれないと言われたって。もしかしたら手術といわれたらしい。でもさ、通風による変形だったら手術しても無駄じゃんと軽く私。　そんなわけで今日のお彼岸供養へのばーちゃんの送り迎えは私がした。ばーちゃんは「飲みすぎだよ、ちっとは辞めるようにいいな」と言う。まったく他人事である。自分で真剣に言ったことあんのかよ、と心の中で毒づく。　このごろ、真剣に考えることがなくなった。もうこの年になってじたばたしても始まらない。実家の父がよく口にしていた悟りの境地である。悟るということは諦めるということに限りなく近い。諦めろと言われても諦めきれないうちは悟れないのだろう。　簡単にいえば、エネルギーがなくなったということだな。年には勝てまへん。　エネルギーというのは限られた資源なので有効に使わねばならぬ。エスパルスの応援とかね。

2008年09月23日

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晴耕はしないけど雨読

　昨夜からのすごい雨で、本日は一歩も外に出ていない。　そういえば昨日はじーちゃんの命日でありました。ばーちゃんとお墓参りをして、おはぎやさんに行った。お昼はおはぎになってしまった。　で、図書館で２冊借りてきた。そのひとつ、森見登美彦氏の『夜は短し歩けよ乙女』は、もしかしたら完読しないかもしれない。こういう脈絡のないなんでもありのお話はどうも苦手だあ。夜は短し歩けよ乙女　そもそも語り手を青年にしたなら、それを貫徹しろよといいたい。麗しの乙女が直接語るならそれでやればよし。　途中で飽きてうとうとして一日過ぎてしまった。次の予約はまだまだ来ないみたいだから、少しずつ読むかなあ。　ああ、ちっとは仕事もしたな。それからナンプレも。これが時間かかるのだよ。☆３つともなると。　後は篤姫見て、だんなはもう寝るそうで。

2008年09月21日

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ついに

持ってて安心♪携帯に便利！老眼鏡（＋1．0）　百均で老眼鏡を買いました。１．０です。　手元の字が二重になっていたのですが、あらまあ、よく見えること！　だんなもかけてみて、「おお！」と感動していました。　それにしてもこれが１００円とは。国産眼鏡メーカーがやっていけなくなるはずだ。

2008年09月20日

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伊坂幸太郎『魔王』

　東京へのバスの間に読もうと、久しぶりに文庫本を買いました。東京は電車が多いので思ったより読書が進みましたねえ。そうか、こうやって毎日読んでいる人が多いのかと納得。　幸太郎ちゃんのリストを見ていたら、これを抜かしていたなあと気づいて選びました。　『ゴールデンスランバー』の冒頭で首相が暗殺される場面がありますが、このカリスマ的な首相がキーパーソンです。若くて、どんな質問にもメッセージ性を持たせる受け答えができるやり手です。政権党ではない野党ということですが、すぐ選挙に勝利し、首相になっていきます。　３０メートル以内にいる人物になら念じれば思うことを口にさせることができるという能力を手にした青年が主人公で、その弟の彼女が語る『呼吸』が続編です。いろいろと謎は残されたまま、日本の行く末も不安なままです。　政治に無関心な若者を中心に置きながら、政治的な小説を書けるというのは伊坂氏ならではの技でしょうね。「考えろ、マクバイガー」ですか。これを読んで、自分の頭で考える若者が少しでも増えたらいいなと思います。まあ、このおばさんだって偉そうにいえるほど考えていませんけど。

2008年09月18日

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網野晧之『やっぱり、家で死にたいんだ』

やっぱり、家で死にたいんだ　在宅医療を強く主張し、実践している網野医師の体験レポート。前作『みんな、家で死にたいんだに』の続編です。　『みんな、・・・』では山村での診療所で、公的機関として働き、村の運営にも直接参加していたそうです。本書は東京に戻った著者が、都市の中でもできるだけ「家で死にたい」という人々の願いに答えるべく、奮闘した日々が綴られています。　この網野氏は闘う医師です。不必要な延命治療はいっさい行わず、痛み止めぐらいしか処方しません。ですから様々な人々から相当な攻撃を受けたようです。でもひるみません。網野氏は絶対「家で死ぬ」ことが正しいと信じているからです。　きっと直接お会いしたら、そのエネルギーにパワーをもらい、信者となってしまうくらい信頼してしまうお方なのでしょう。でも、あまり文章はお上手とは言いがたい。自分は正しい、が直接すぎて、抵抗勢力を誘引してしまう語り口です。　それでも、今のスパゲッティのようにチューブだらけの医療が望ましいとは私も思いませんから、このような医師がそばにいたら、「先生に最期をみとっていただきたい」と言っていることでしょう。みんな、家で死にたいんだに　ついでに『みんな、家で死にたいんだに』も借りて読んでみました。こちらはまだ若かったのか、もう更に「私は正しい」が鼻につきすぎです。在宅医療では家族への負担が大きいのですが、けっこうお嫁さんが虐待していたとか、在宅に反対する人々のことを悪く書いています。こんな書き方ではちょっと嫌だなあと思うことが多かったです。　それにしても、家族に迷惑をかけて生き続けるのって、やっぱり嫌だなあ。　やっぱり、ぽっくりいきたいんだ、ってのが本音ですねえ。

2008年09月17日

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東京のんびり旅

　東京に行ってまいりました。　二科展をみて、両国国技館へ。　詳しくはぺぺりんの日記　をどうぞ。（手抜き）　今日は隅田川を遊覧船で下ってその後新宿の東急ハンズでお買い物をしました。だんなはもっといたかったようです。　やらなくちゃいけないことがあるのに、こんな時間だあ。

2008年09月15日

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角田光代『何も持たず存在するということ』

何も持たず存在するということ　予約してすぐ来てしまったので、慌てて読みました。雑誌に掲載していたものをまとめたという形で、１，２ページずつのエッセイです。一つ一つがとても短いのでなんだか物足りない気がしました。　角田さんもお母さんとはあまりうまくいっていなかったようだと、前に書いたことがありますが、そういうことをインタビューで露骨に聞かれて閉口したという文章がありました。小説はあくまでフィクションなのだと。そうね、下賤な考えでした、すみません。　7歳から日記や物語を書いて「小説家になりたい」と言っていたらしいです。すごいなあ。しゃべるより、書いたほうが思いを伝えられるのだそうです。　だらだらおしゃべりばかりしている誰かさんとはそこから違います。だから自分には物語が書けないのかと、妙に納得しました。

2008年09月13日

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佐野洋子『シズコさん』

シズコさん　ほんとはこんなの書いてる場合じゃないのですが。。。。　前に読んだ『役に立たない日々』の佐野さんです。お母様のことを書かれたエッセイというのでしょうか。懺悔文みたいなものですね。　『役に立たない日々』があまりに明るかったので、佐野さんという人はおおらかな方だなあと思っておりましたが、そうか、こうやって陰と陽を使い分けていたのだなと思いました。　つまり、こちらは陰なのです。家事は完璧でどんなに貧乏でも化粧をしていたお母さんですが、子どもたちとスキンシップすることはしなかったようです。「世の中に母親が嫌いという人がこんなに多いとは知らなかった」と佐野さんは言っています。はい、私もそうでした（一応過去形）。姉とよく、世間ではホームドラマのようなお母さんが実在するということに驚いたものです。　うちの母も料理が得意です。授業参観には美容院に行き、いつもきれいな服を着ていました。だから我々子どもはいつもこれ以上褒められないだろうというぐらい「いい子」でした。お弁当作りに相当の労力を注いでいたので、今でも「とんびさんといえばお弁当」というのが同窓生の言い草になっています。その頃は「本当は違うんだよ」とは外の人に言えませんでした。彼女は霊感が働くといっていいくらいでしたし、田舎なのでどこで聞き及ぶか分かりませんでしたから。　だからこんなに遠くに嫁に来たのです。　佐野さんのお母さんは呆けてから人格が変わったように穏やかで優しくてかわいい人になりました。それで初めてお母さんの手をさすってやることができたそうです。　佐野さん自身が癌の手術を受け、生死を彷徨ったから書ける文章、なのでしょうね。まだまだだあ、自分は。

2008年09月13日

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北の湖理事長辞任

　そりゃあ、しかたないわよねえ、今度ばかりは。　大相撲のごたごたが起きるたびに、普段はあまり見てない人がやいのやいの言うのは気に入らんと、ぺぺりんが言ってました、けども。　北の湖理事長は、四股名のままの親方であって、それだけ他の親方とは格が違う方なんですよね。でも、格があるから指導力があるかというと、そうでもないのがどの世界でもいえることで、だいたい、あんまりおつむはよろしくないのでしょうね。　おそらくこの世界で一番頭がいいのは舞の海さんではないでしょうか。でも彼が理事長なんてことはまず、ないでしょう。　多くの人は早く「千代の富士」が理事長になってほしいと思っているでしょうね。　やっぱり千代の富士はかっこええわあ。　今度、生で見られるかもしれないと思うと、わくわくします。　えへへ、次の初日、家族で桝席ゲットしたんです。恐ろしく狭いそうですけど。まあ、うちの家族はこじんまりしてますから、なんとかなるかな。　昔からポピュラーになると興ざめしてしまう自分です。世間の目が冷ややかだと、なんだか熱くなったりして。　昔は快傑（字、あってるかな？）とか好きだったなあ。田舎臭いおじさんみたいな力士だったけど。今はペペリンの大好きな白鵬ですかね、やはり。きせのさととか好きだな。　どうか無事に見させてください。

2008年09月08日

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一周忌

　早いもので、と言いたいところだが、けっこう長かった。やっと一周忌かという感じ。　お供えのお菓子を取りに行って、お墓のお掃除をする。息子たちがお墓をきれいに磨き上げてくれた。ちょっと暑かったけど、まずまずの日和だった。　じいちゃんの兄弟もばーちゃんの兄弟もたくさん存命なので、総勢３０名の法要となった。　お坊様も「こんなににぎやかなのは最近珍しいです」といっておられた。　息子たちは一週間前に戻ったばかりだけど、夕べ帰ってきた。これもおじさんおばさんたちに会えるからである。それだけじーちゃんを通して多くの親戚の方々と繋がったということだろう。　お昼の会食も美味しくいただいた。ほんとはみなさまのところを回って歩かなくてはいけなかったのかとも思ったが、お話が弾んでねえ。　よくばーちゃんところ来てくれる人がじーちゃんとばーちゃんの馴れ初めを知らなかったのはちょっと驚き。話が盛り上がってきたところで息子たちを送っていかなくてはならない時間となってしまった。　来年は３回忌。また同じところでやるとばーちゃんは言っていたが、そんなに丁寧にやるものかなあ。　家に戻って実家から電話があった。帰り土産に用意したお菓子はちゃんと渡したかの確認であった。はい、ちゃんとばーちゃんも「嫁さんの実家からもらいました」と言ってくれました。　ついでにそっちではどうなのと聞くと、３回忌となれば身内だけで簡単に済ますらしい。でもまあ、みんな兄弟なんだから、結局同じことなのか。じーちゃんほど多くの人々に送られる人もめったにいないだろうな。　だんなと、自分らのときはこうはいかないよねえと話す。だんなは一人っ子だし。淋しいものだろうねえ、だいたい、そのころにはこういう行事は形骸化しているかもしれないしね。

2008年09月07日

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やっと週末だあ

　長かった一週間。　床で寝た日のなんと多いことか。　おかげでワックスをかけたような光沢があちらこちらに。　減らない仕事の山。持ち帰ってもそのままもってくるからね。　明後日法事。いよいよ切羽詰って参りました。本腰を入れなくては。と覚悟はするんだ、毎回。

2008年09月05日

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山田宗樹『嫌われ松子の一生』

　山田宗樹といえばこれを読んでおかないと、と予約したらすぐ来ました。　東京のボロアパートで５３歳の女性の死体が発見されます。周囲から「嫌われ松子」といわれていたその女性は、太っていて臭くて、迷惑この上ない存在でした。部屋の片づけを父親から頼まれた甥にあたる青年は、刑事からある男の写真を見せられます。　あらすじを書くとめちゃくちゃ長くなってしまいますね。中学生の憧れの先生だった松子はある事件から職を失い、家を飛び出します。トルコ嬢としての暮らし、恋人の自殺とその親友との不倫、シャブ中毒、ヒモの男を殺害、刑務所暮らし、昔の教え子との同棲。。。。とまだまだ転落人生は続くのでした。　山田氏がうまいのは、こうした不幸の塊りの人生を、決してお涙頂戴の安っぽさに仕上げなかったことです。松子は美人で頭がよくて器用で度胸もある女性ですが、そんな女性がどうしてこのような人生を送ることになってしまったのかを、甥の青年とともに探ってゆくという展開になっています。　読んでいて、ああ、これは自分の物語だ、と何度も思いました。あのとき、ああしていたら、自分もこうなっていたかもしれない、とか、そうなのよ、優しさの使い道を間違えてしまったのよ、とか。　松子の最大の欠点は男を見る目がないということです。「だめんず・ウォーカー」のお手本です。でも山田氏はちゃんとその理由まで書いてくれています。父親から愛されたいという思いで、本来の自分を殺して生きてきたからです。　後で考えれば、何もこんな極端な生き方をしなくてもと思うのですが、そこに至る経緯が自然というか、リアリティがあります。だから読者は松子が大好きになっていくのです。　きっと誰もが、「松子的衝動」を爆発させたいと願ったことがあるのではないでしょうか。それを素直に爆発させてどんな場所でも自分にできる最大のことをやってきた松子さんには、作者の愛情が注がれています。それなのに、この最期。だからかえって安っぽくないんですね。　昨日は一気に読みふけったので、夜はなかなか寝付けなくなってしまいました。　今日は中谷美紀主演の映画をテレビでやっていたのに、あれ？福田総理辞任？おいおい、「今が一番いいタイミング」だって？そりゃあないでしょ。松子さんはどうなるのよ～。

2008年09月01日

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