セバスチャン・フィツェック『サイコブレーカー』
なぜに画像が出ないのだ? 久々に読んだ海外モノ。しかもドイツの作家です。 吹雪の夜、連続女性暴行事件(外傷はなく精神だけが破壊されている)の犯人と思われる男がある精神病院に運ばれ、姿を消します。そして、病院の美しい女医が襲われ、やはり精神に異常をきたします。 記憶を失って入院していたカスパルは、この男の顔を知っていることを思い出し、愕然とします。サイコブレーカーと院内に残された人たちとの格闘が始まります。 密室型スリラー、サスペンス。被害者が握らされた「謎々」の紙もまた話を面白くしています。展開はかなり凝っていますね。前半は忍び寄るサイコブレーカーが恐いし、だんだん分かってくるカスパルの過去も興味深いし、最後のどんでん返しもみごとです。 しかも、この話自体が、ある教授が学生にテストと称して読ませている「カルテ」だというのです。読者はこの学生たちのように、恐る恐る続きを読むのです。読み終えたら「一週間以内に異常が起きたら連絡してくれ」って。そんなあ~。 でも、あとがきでこれを読んで何かおきることはないって書いてありました。ついでに謎々の答えもね。けっこうはっきりと書いてあるのに、訳者は分からなかったって。ほんとかな。読者へのサービスかもね。 この作者、けっこう若いんです。『治療島』も面白そうなので、今度予約しちゃおうかな。 しかし、夜中にトイレに行けなくなってしまいますよ。とくにうちのトイレはドアを開けたらすぐ真っ暗な階段なので、ほんとに恐いんです。