朝倉かすみ『感応連鎖』
感応連鎖 2月の出たばかりの新刊です。取り寄せてもらったのですが、ちょっと予想と違っていました。でも、これはこれで興味深かったです。 体重100キロを超える女子高生節子と、その親友でモデル体系の絵里香と、絵に描いたような美少女由季子。それに担任の秋澤とその妻が絡むお話です。 どこにでもあるような設定、キャラクターですが、それをどこにもない展開にした技に脱帽です。女の子の恐ろしさが半端ないです。これを男の子が読むと、もう恋愛なんてできないかもしれません。とくに絵里香が怖いです。 彼女たちの力は非現実的ともいえるものですが、それは現実を忠実にデフォルメしているからホラーでも超能力でもありません。いるんですよ、やけに勘のいい人って。決まって言ってほしくないことをずばりと言う人。 最後を始まりに繋げて無限に続くみたいな手法は、ちょっとありきたりで、そこが残念でした。絵里香のその後があっさりしすぎですが、溜飲が下がった人もいたかも。でも実際は憎まれっ子世に憚るですよね。 ネタばれだと面白さが半減するのでこの辺でやめておきます。 ただ気になった誤植とか( )の使い方がどうにも納得できない箇所が目立ちました。校正をもっとしっかりとしてほしかったです。一つの作品にこんなに多い誤植がある本は初めてです。 ところでうまくいかない日は何をやってもだめで、予約した本が期限を過ぎてまた借り直さなくてはならなくなってしまいました。 まあ、公民館で思わぬ収穫もあったのですからよしとしますか。