|
カテゴリ:読書記録
道中で読むために持ち歩いていたので、読み終わるのに時間がかかってしまいました。でも、どこを読んでも、何回読み直しても、「え!そんなことを!」と叫びたくなるルポであります。 前作では、肥満児童が食べている高カロリーファストフード給食とか、サブプライムローンでホームレスになった人たちとか、けっこうニュースとかでもやっていたことだったので(つまり読んだのが遅かったともいえます)ふむふむなるほど、という感想でしたが、今回は初めて知ることが多かったです。まさにマネーゲームに操られた国、アメリカです。 熱狂的な選挙を経てオバマ政権になって、あれほどの支持率がどんどん下がっています。最近保険制度の改革らしきものが通ったとニュースでやっていますが、あれは皆保険ではないのです。日本のような保険制度はもとよりなく、利率の高い民間の保険会社にむしりとられて、挙句に無保険に陥るという状況は今後も改善されることはないでしょう。 学生ローンも信じられないくらい高くて、きちんとした就職ができなかった若者たちはただ借金だけがのしかかってきています。 何より驚いたのは、刑務所の低賃金労働です。民間の刑務所がどんどん増えて、囚人たちを第3世界より安い賃金で働かせてぼろもうけをする。ああ、ここまで病んでいるのか、アメリカよ。 しかも、わざと囚人を増やそうとしているとしか思えない政策。 でも、希望も見せてくれています。「オバマを動かせ」のスローガンで国民が運動を作っていく流れが始まっているそうです。 アメリカで起こったことは日本でも起こると警戒しておかねばなりませんね。とくに小泉がやった「規制緩和」。このなんとも腹の立つ言い回し、なんとかなりませんかね。「金持ちのやりたい放題」と訳さねばならないことを一体どのくらいの国民が知らせれていたのでしょう。 それにしても、前作もそうでしたが、堤さんは文章がうまいです。ルポとしてこんなに分かりやすいものはそうはありますまい。大国アメリカを相手に、よくぞ書いてくれました。ジャーナリストの鑑です。すばらしい。この人にこそノーベル賞をあげてもいいのではないでしょうか。少なくとも大統領よりは価値があるはずです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年03月29日 23時28分20秒
コメント(0) | コメントを書く
[読書記録] カテゴリの最新記事
|