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カテゴリ:読書記録
毎晩速攻で寝てしまったため、時間がかかってしまいました。でも重松のは読みやすいです。 中学2年の夏休み明け、同級生が自宅で首をつって自殺します。ずっと虐められていたことを同級生たちは知っていました。マスコミが「見殺し自殺」として騒ぎ立てます。 物語は遺書に「親友」として書かれた主人公と「迷惑をかけてすみませんでした」と書かれた少女との苦悩が淡々と描かれています。今は結婚をし、子どもも持つ身となった主人公が回想する形です。 少年の父親を「あのひと」と呼び、多くを語らない「あのひと」に対する申し訳なさがひたひたと伝わります。あるときは「もういいだろう」と叫びますが、それでもずっと「十字架」を背負って生きていくのです。 虐めていた少年の一人は事故で亡くなります。彼らについてはあまり書かれていないのは、「あいつらよりはマシだ」と思う心を排除したのかもしれません。 重いテーマです。おそらく重松がずっと取材して父親とも接していたあの事件のことを書いたのでありましょう。だからリアリティがあるのだけれど、小説としてはいまひとつパンチに欠けている気がしました。普通の人間が悩むのはまあ、予想がつきます。そうではない人間がどう思ってその後を生きるのか、そういうことが知りたかったような気がします。 最近頭がぼーっとしてあまり深く読み込めなくなっているからかもしれません。作者にちょっと申しわけないです。ああ、大丈夫だろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年04月18日 21時35分46秒
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