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カテゴリ:読書記録
ろうけんお花見 たいへん困っております。 たった90ページ、ブックレットみたいな本ですが、小説なのだそうです。介護保険老人保健施設で働く若い職員が日常を綴ったものです。たしか誰かが現場の状況が理解できるみたいなことを書いていたので、取り寄せたのですが、あちゃ~です。 まず文章力は小学生並みです。高学年ならもっとうまい子はたくさんいるだろうな。よく宿題で日記を書かせますね、あれです。あったことを時間順にだらだら書くので読むのが苦痛です。 内容もひどい。お花見を企画するカズと呼ばれる男性職員が主人公なのですが、なんの工夫もないお花見です。いっしょに実行委員をやるリエちゃんのことが気になるようですが、彼女のどこが「わがまま」なのでしょう。ただちょっと綺麗な女の子はわがままだと決め付けているところも、あまりにもひどい。 一番気になったのは施設に入っているお年寄りに対して「入所者」という言い方をしている点。中には名前で呼ぶ人も出てきますが、ひとりひとりの特徴がほとんどない。 つまり介護の現場で働く人は入所者ひとりひとりにそれほど関心を払わずに、同僚のことばかり考えて働いているということでしょうか?まさかそんなことはあるまいて。 とってつけたような介護労働現場への不満も、まったく説得力がありません。 やはり小説は小説の専門家が書くべきですな。 あとがきで「介護の現場で働きたいという子どもたちが増えれば」とか書いてありましたが、これを読んでそう思うほど子どもは甘くないですよ。 せめてデイサービスとかショートステイなどの専門用語の解説があるとか、振り仮名をふるとか、何か工夫はなかったのでしょうかねえ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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