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カテゴリ:読書記録
横道世之介 話題作、やっと回ってきました。 吉田さんの文体はあまり特徴がなく、前に読んだ『悪人』も世間の評判ほどのものかなあと思ったのでしたが、なんていうか、書いた人の人徳というのでしょうか、それがとてもいいのですね。 この横道世之介も、あの頃(1980年代後半)ならどこにでもいた青年です。特技も何もないし、イケメンでもないし、強いていえば大食漢であるぐらいです。 ああ、いたなあ、そういう奴。そんな男です。 始めはただの郷愁ドラマかと思ったのですが、ときどき挟まれる現代になった生活が、何やら意味ありげです。ああ、そうか、世之介は。。。。 自分もその頃を知ってますから、あの頃はよかったなあと思ってしまいます。今の余裕の無い清潔さといいますか、そりゃあ、もちろんきちんとすることが正しいのは分かってますが、はめを外すときもないまま青春時代をすごしてしまうことに手放しでは喜べません。 無菌室で育った新種は、あまりにも弱いのではないかとこの本を読んで思いました。筋とはまったく違うことですけど。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年07月04日 11時44分13秒
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