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カテゴリ:読書記録
スコーレno.4 新刊かと思っていたら、もう3年も前に出ていたのですね。文庫にもなっています。 「スコーレ」って学校という意味だそうです。山田詠美さんの『学問』と似ていますね。題材は同じなのですよ。でも、わたしは断然この宮下さんのをお勧めします。 何が違うって、上品なのです。昔「空の色に似ている」という漫画(内田善美作)がありまして、数少ない自費で手に入れたコミックだったのですが、あの感じと似ています。上品というより「上等」な気分なのです、まさに。 ちなみにこの「上等な気分」というのは同じく内田善美さんの「ひぐらしの森」に出てくる言葉でありまして、当時の乙女であった私が好んで使っていたお気に入りの言葉であります。 そのとっておきの称号を宮下さんに贈ります!と言いたい作品です。 骨董屋の長女として生まれ育った娘のお話です。美しい妹が出てくるし、初恋もそれからのつきあった彼氏とも長続きはしませんでした。 この条件で、醜さを一滴も垂らさずに初々しく書けるなんてそれだけでも感動です。 最後は素敵なハッピーエンド。こんなに女性の主人公を応援したことはないです。すごく嬉しかった。よかったねえって言ってあげたくなりました。 宮下さんのは短編しか読んだことがなかったのですが、これからどんどん長編も書いていってほしいです。 実は同郷というのも応援したくなる理由の一つかもしれません。地元って感性が豊かな人が多いのよっってね。だから自分が褒められるわけじゃないのは分かっていますけども、そういうものじゃあありませんか。甲子園だって全く見たこともない子どもらを応援してしまうんだから。 もう芥川賞は無理かもしれないけれど、小川洋子賞というものがこの後開設されたら、まっ先に受賞するのは宮下さんなのではないでしょうか。 がんばってください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年08月03日 21時36分15秒
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