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カテゴリ:読書記録
【中古】単行本(小説・エッセイ) 累犯障害者 今は総理となった管さんの秘書で実刑を受けた著者が獄中で見た障害者たち。 マスコミが黙殺してきた障害者たちの犯罪の実態を描くルポルタージュ。 これはよかったです。こういう特殊な体験をした人のルポってどことなく鼻につくものですが、それがないです。 障害者たちが犯罪を犯し、繰り返すことが多いということはあまり知られていません。「ここが一番住みやすかった」と語る受刑者の言葉が象徴するように、娑婆こそが地獄の暮らしになっている障害者たち。そのほとんどが、家族も含めてある種の障害を抱えています。 聴覚障害者の審判ははたして公正にされているのか?という疑問も新鮮でした。裁判だけでなく、手話にも聴者(健常者)用のと障害者用のがあるなんてことも知りませんでした。 福祉の手がまったく届かない人々に差し伸べているのは、なんと暴力団です。知的障害者の売春は今でも多いのだそうです。彼女らには罪悪感がないのです。それを巧みに利用する暴力団。でも、声をかけているのは彼らしかいないということです。 今、虐待の件数が増えているという報道をよく聞きますが、それはタブーがなくなってきたということでしょう。きっと昔からずっとたくさんの人々がひどい目にあってきたのです。それを「なきもの」にしてきたということです。 福祉の現場で働く人だけを責めても解決しない問題です。もっと根本的な処置が必要だと強く思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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