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カテゴリ:読書記録
オー!ファーザー ここのところ忙しく、かつ3冊同時進行で読んでいたのでまとめて書きます。 伊坂さんの最新作かと思いきや、これは『ゴールデンスランバー』より以前に新聞に連載されていたようです。 4人の父親と同居する高校生が、知事選に絡む事件に遭遇します。いつもながら、父親が4人というありえない設定を読ませてしまう手腕に脱帽です。 ギャンブル好きで不良パパの鷹、マッチョな中学校教師の勲、女性を見たら声をかけずにはいられないイケメンの葵、クールで知的な大学教員の悟が、それぞれの個性をいかんなく発揮して、由紀夫を守るために奮闘します。 ただ、毎晩眠かったせいか、ちょっと間延びしてしまったところがありました。自ら「一期の最後の作品」と位置づけるお洒落な物語です。 女中譚 直木賞の『小さいおうち』が当分回ってきそうにないので、その前の女中物語を借りました。 林芙美子や永井荷風をトリビュートした作品だそうです。そっちの作品を読んだことがないのですが、機会を作って読まねばという気にさせられます。 秋葉原のメイド喫茶に老婆が座っています。老婆が語る女中の話です。 二二六事件が起こる前ぐらいの日本が平和だったころの東京です。地方からいっしょに逃げてきた女性を女郎屋に売ろうとする男や、ドイツ人を母にもつイジワルな娘、気はあるようだが手をつけようとしない文士などが登場します。 現代の人が書いたからというのもあるかもしれませんが、こうした戦前の様子を書いたものを読むと、今と変わらないんだなあとつくづく思います。真面目な人もいたでしょうけれど、したたかだったり嫌な奴だってちゃんといたわけだ。なんだかそんなことに安心するような、決して今だけが悪いんじゃないって気がします。 問わず語りですから、読みやすくすぐ読めます。読んでよかった一冊です。 パンツは一生の友だち こちらは例によって紹介するかどうか検討するケアの実践録です。 排泄を専門とするナースということですが、その行動力と探究心と実践力は大学病院の先生より上なんじゃないでしょうか。彼女が語る「排泄こそ生きること」という言葉も説得力があって、何よりこれから老いを迎える我々にはたくさんためになることが満載でした。 今日からできることは、括約筋の訓練ですね。100歳のおばあさんでもやったらオムツが外れたそうです。一生パンツで過ごしたいと思うあなた、ぜひご一読を。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年09月12日 19時13分32秒
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