|
カテゴリ:読書記録
画像が出ません。
中村文則氏が芥川賞をとる前にノミネートされた作品。 ふとしたことから銃を手にした青年の内面を描きます。 過去に施設で育ったという経歴を持っていますが、どこにでもいる現代の若者が銃の魅力に取り付かれ、発射したい願望にかられます。 もし、本当にこうした殺人の道具を手にしてしまったら、彼ほど躊躇なく人を撃ってしまうかもしれませんね。アメリカではこんなものを日常の道具のひとつにしているなんてねえ。 文体はいつも冷めていて、もうひとりの自分が見つめている感じです。そんな冷静な彼だけに、ラストの動揺ぶりの愚かさは滑稽ですらあります。 倫理観の欠如した若者を描くことで、中村氏の倫理性が浮かび上がる作品です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年12月18日 22時10分05秒
コメント(0) | コメントを書く
[読書記録] カテゴリの最新記事
|