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カテゴリ:読書記録
【送料無料】ひそやかな花園 新聞連載は欠かさず読んでいたのですが、大幅に加筆されたとあったので、借りてみました。連載中は、週ごとに変わる人物が混同してしまいましたが、ちゃんと整理して読むことができました。 子どもの頃夏休みに決まって出かけていた別荘のキャンプ場。親戚でもない、サークルでもないその集まりは何だったのか。どうして突然終わってしまったのか。それぞれの思いを抱えた子どもたちが大人になって再会します。 いやしかし、角田さんはどんどん高みに達していますね。「森に眠る魚」でも女性同士の人間関係のいびつさを描いていましたが、今回はまたさらにその構図が極まっています。いやらしさがないのがうまいなあと感心するところです。 今回は紗有美という女性が「なんとなくイラつく」存在として描かれています。友だちができない、自分は不幸だと言い切る彼女を、疎ましく思いながら「お姉さん」として振舞うことを命じられた樹里は、不快感を抑えて優しく接します。 キャンプの集まりは何だったのか、書いてしまうと冒頭の幻想的なな空間を壊してしまいそうなので書きませんが、その空間へ読者を誘い込んでしまう手腕には脱帽です。もしかして私のリズムとシンクロするのかな。みなさんはどうなんでしょう。なんというか、催眠術で眠りに誘われるような力があるのです。 書くたびにレベルを上げ続ける角田さん。命とは何なのか、テーマも今日的で深いです。この作品も映像化の引き手あまたでしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年05月29日 18時39分41秒
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