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カテゴリ:読書記録
【中古】単行本(小説・エッセイ) ドーン【マラソン1106P10】【画】 『かたちだけの愛』が3部作になっている作品群のひとつということで借りました。けっこう時間がかかったなあ。 今から20年ぐらい先の近未来のお話です。火星への有人探査船「ドーン」の乗組員の一人として日本人医師の佐野明日人は地球を旅たちます。その二年半の間に何があったのか、また残された家族である妻にも異変が。。。。アメリカ大統領選と東アフリカ戦争という情勢の中で繰り広げられる陰謀とは。 ふうむ。星を4つにするか3つにするか迷うところです。これだけの舞台設定をまるで見てきたかのように描く手腕には畏れ入るのですが、つまるところは「愛」の話であるのに、なぜに宇宙飛行士なのか、なぜに大統領選なのか、なぜに近未来にしたのかと思うことがたくさんあります。 とくに大統領選挙の白熱した演説合戦が続くあたり、それはそれでとても興味深いのですが、本題の女性飛行士の妊娠疑惑はどうなったのよと歯がゆい思いをさせた上であれですか。 「メルクビーンブ星人」にも、もうちょっと何かあるのかと思ったのにあれですか。 展開が時間軸を無視しているのと、視点が選挙PR会社の映像作成者に移ったり、いくつもの名前を持つ男が登場して混乱したり、とまあ、わざと難解にしているようなきらいがありまして、アホな人はご遠慮くださいと言われているような気がしないでもない。それであっと驚く結末があるってわけでもないんだなあ。 ARという3次元映像の技術は20年ぐらいたてば本当に一般家庭に当たり前になっているかもしれません。死んだ息子の映像(しかも成長する)と暮らす母親かあ、ありえそうですね。 ディヴという言葉が盛んに使われています。多様化する対人関係の中で、様々な「人格」を使い分けるという意味です。あのときキミを大切に思ったディブを忘れたくないんだ、みたいな感じです。こういう会話をするようになるのでしょうかね。なんだか面倒な未来ですなあ。でも、「源氏物語」の生まれた日本ではすでに大昔からやっていたんですって。 20年後、生きていたらまたこの本について語るときがやってくるかもしれませんね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年06月11日 20時23分31秒
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