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カテゴリ:読書記録
【送料無料】シューマンの指 久々に読み終わるのが惜しいと思える小説です。 音大受験を目指す「私」の高校に天才ピアニストとして名高い永嶺まさと(脩人)が転校してきます。シューマンをこよなく愛し、「ダビッド同盟」と称して音楽論を語り合った日々。 しかし、脩人はある事件で中指を切断してしまいます。数年後、音楽生命を絶たれたはずの脩人の演奏を聞いたという話を耳にします。「私」が語る脩人との回想録。そこには大きな事実が潜んでいたのでした。 前半はシューマンの曲の解説が続きます。クラシック音痴の自分には向いていなかったか、と思いましたが、分からないなりにシューマンの独自性とか苦悩とかが伝わってきます。 ユーチューブで検索してそれぞれの演奏を聴いてみました。分かるような分からないような。。。。とにかく全体に重たく、めちゃくちゃ難しそうな曲ばかりですね。 後半になって夜の高校で女子生徒の殺人事件が起きます。それから突然脩人の恋人らしい女性が現れます。鈍重な牛のように描かれる女性が、脩人の指の謎と繋がるのでした。 え~これ以上はあらすじを書けません。おそろしいどんでん返しが待っているからです。 どうなんでしょう、このラストは。こうじゃなかったらもっと評価は高くしたかもしれないなあ。どうしてもミステリーにしたかったのかしらん。 ネタばれになるかもしれませんが、疑問点をいくつか。(ここは未読の方はさらりと進んでください) この手記を書き始めるきっかけとなったのが何なにか、どこにも書かれていない。手記の部隊が30年前。新聞記事とか手紙がその数年後。それをいつ再読しようとしたのか、このとき「私」は何をしていたのか分からないです。 つまりずっと封印していたものを開けるだけの何かがなくてはならないと思うのです。シューマン生誕200年だから?まさかね。 別荘での夜、事件は何も起きなかったのか。 なぜ今になって指を切る必要があったのか。 殺人事件があった夜の「幻想曲」の奇跡のような演奏は実在したのか。 脩人が言うように、「音楽はもうすでにそこにあるのに、なぜ演奏する必要がある?」なんて言われたら、そうなのかもしれないと思うのですが。 誰か読んだ人と語ってみたくなり作品であります。やっぱり星5個つけてもいいかな。 ところで、このブログの「タグ」機能がなくなってしまったのね。すごく困るんですけど。読み比べできないじゃないの。誰に言えば元通りにしてくれるのかしら。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年08月22日 12時50分55秒
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