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カテゴリ:読書記録
【送料無料】八番筋カウンシル 今年の収穫は津村記久子さんだなあ。予約が回ってこないとき、そのまま借りることができて、外れがほとんどない。 地元の商店街に戻ってきた3人の同級生たちの静かな生活が、ショッピングモール建設に反対するか賛成するかの騒動に巻き込まれることになってしまいます。中学時代にそのひとりの祖父が亡くなり、同級生だった男子が疑われ、街を出て行きました。その彼がモール建設を進める会社の立場で街に現れます。 田舎町の商店街はどこも寂れて経営不振です。そんな地元に大人として戻ってきたかつての若者たちの複雑な人間関係を津村さんならではのタッチで描きます。 地元で有名だった美人が都会には出なくて地元で過ごすって下りがうんうんと納得です。「ここでは有名人」なのですから、何も外に出る必要がないのです。 ラストの手前、そうだったのかと思わせる展開がありますが、大きな波乱はない終わり方でした。まだまだ続いてほしいと思わせる語り口、何度も言いましたが、押し付けていなくてかといって冷淡ではない、距離のとり方が絶妙なのです。 来年も津村さんの新作に注目です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年12月28日 19時29分32秒
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