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カテゴリ:読書記録
道化師の蝶 読んだのは文藝春秋の芥川賞受賞作発表の号です。 受賞後の会見で田中氏の影に隠れてしまった感のある円城氏ですが、作品を読むとこっちのほうがあの「もらっといてやる」発言に合っているような気がしますね。 円城氏は物理学を専攻してらしたそうですね。メビウスの帯とかワープとかを小説にしたらこうなるのかしらん。現在の日常現象としてはありえないことが次から次へと展開しますので、ふつうの概念で読むと何が何だか分かりません。 たとえば冒頭で男性と表記された人物が子宮がんで亡くなったと書かれていたり、目の前にある虫取り網をこれから自分が編むのであろうことを確信したり。 実はラストの蝶の雄が誰のことなのか、一回読んだだけでは分からなかったのでした。でももう一度読んで確かめてみようとまでは思わないというのが正直なところです。 屹度、円城さんにはたいへん興味あることなのでしょう。でも理系ではなかった自分にはまあ、はっきりいってどうでもよいことなのです。 なぜ「猫の上で読むべき本」などについて具体的な表記がないのでしょうね。そこらへんが文系人間を引き込めない要因なのではと、思ってみたり。 文章が下手とかいうわけではないので読むことはできました。選考ももめたそうで、過半数が賛成したわけでもなかったようですね。それなのにこれを無視したら「実は理解できませんでした」と告白するみたいで落とせなかったのかしらんと外野は無責任なことを思っております。 田中氏は「図書準備室」がぴんと来なかったのであまり読む気はないのです。よほど暇になったら、ですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年02月14日 19時43分28秒
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