猫
いつだったかな。猫の話を見た。それは、こんな物語。・・子猫が男の子に拾われた。大事にされ、とても仲良くなった。いつも一緒だった。でも、ある日のこと。男の子が突然いなくなった。猫は泣いた。くる日もくる日も、男の子を探し続けた。大学生になり、家を離れてしまったのだ。それから、数か月が過ぎた。男の子が家に帰ってきた。猫は、噛み付いた。家族には、普通に接するのに。その子にだけは、敵意を見せた。そこに、動物の気持ちが分かるという女性が現れた。「あなたは、この子(猫)に何も伝えずにいなくなりましたね。分かってもらえるまで、謝るしかありません。」男の子は、籠に入った猫の前で謝り続けた。・・・映像を見ながら、私は思い出していた。遠いあの日のことを。「猫がいたんだ・・・。でも、もう飼わない。」そう言った人のことを。