|
カテゴリ:本
うっかりさんがDSの逆転裁判にハマったという話がありましたが、
わたしも結構、法廷モノのドラマや本好きだったりします。 しかしきっと、ホントの法廷はもっと生々しく、テレビを見るように傍聴なんて できない何かがあるのでは?と思ってました。 そこで目についたこの本を読んでみました。 ぐっ、リアル。 作者が裁判所の門をくぐるときの妙な落ち着かなさ、傍聴席での居心地の悪さから、 徐々に慣れてするどい観察力で、裁判官を、弁護士を、検察官を、被告をツッこんでいきます。 たまには新聞記者をも、被害者(もしくは加害者)関係者をも、法廷イラストレーターをも、 観察対象です。 そうか・・・ ここまでリアルか・・・。 こちらの想像を超えて、生々しい世界がありました。 加害者は裁判ではウソでもしおらしいのかと思っていましたが、後ろから小突いてやりたいほど、ふてぶてしく反省のカケラもない人もいるんっすねー。(まーそりゃそーか) また、口では取り繕えたとしても、顔は一朝一夕には変えられない。しかしそうかと思えば、「えっこの人が犯人!?」と驚くような普通の善人そうなおじちゃんおばちゃんも多いらしいのだ。これぞ現実。いつもは饒舌な人でも裁判となると、言いたいことがあるのにうまく言葉にできなかったり、しどろもどろになってみたりすることだってあるだろうし、それだけに惑わされずに被告人を観察し判断を下す裁判官という仕事は、並大抵の判断力で出来る仕事ではないぞ。 人間ウオッチャーである私も、読んで一気に自信がなくなってしまった。 表紙にもなってる風景ですが、被告人の服装も様々のところにしてドクロマークのトレーナーを着て出廷している人がいたらしいのです。交通裁判、しかも相手は死亡。たまたま、にしても今日この裁判の日にそれを平気で着てくるデリカシーの無さ。そしてこの現実こそが人間社会だなぁ・・・と思ったのだった。 まあ実際読み進めていると、強制わいせつ事件などで被害者女性が証言する場面を楽しんでいるような雰囲気があったり、共感できない場面はたくさんあった。でもそれは『裏モノJA●AN』の連載、というTPOあってのリップサービスだったかもしれない。 解説で角田光代さんが「わけのわからないのは事件ではなく、人間」と言ってるけど、まさにそんな感じです。続編も出ています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[本] カテゴリの最新記事
|