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Four Seasons Story

Nov 16, 2012
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カテゴリ:読書


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2012.11.16(金)

「紅葉がいま見頃・・」のニュースが流れる那須です

寒さも紅葉の色づきとともに増してきました。

私が一番好きな紅葉の思い出の場所というと

東京の神宮外苑の銀杏並木

京都南禅寺周辺の紅葉・・

思い出は、いつも心の中にベストシーンで残っていて

その思い出の抽出をそっと開くと・・あの日あのときがよみがえって魔法の時間に酔う・・

なかなかのいままで生きてきた時間の醍醐味を味わえるひとときに感謝して。




先日、友人のKさんから

”これ読んでみて・・”と、渡された本

『心をゆさぶる平和へのメッセージ』
〜なぜ、村上春樹はエルサレム賞を受賞したのか?〜

今年のノーベル文学賞候補に一番の期待がかかったこの人

村上春樹


この本のなかにエルサレム賞を受賞したときの村上春樹氏のスピーチが記されています。

全文を紹介すると長くなるので抜粋して引用


ー2009年2月15日ー

こんばんは、今日、私は小説家として、つまりうそを紡ぐ専門家としてエルサレムに来ました。

 もちろん、うそをつくのは小説家だけではありません。

知ってのとおり、なかにはうそをつく政治家もいます、

外交官や軍人も、中古車セールスマンや肉屋、建設業者と同じく、

それぞれの都合に応じてうそをつくことがあります。

小説家のうそが他と異なるのは、誰もそのうそを不道徳だと非難しない点にあります。

実際、うそがより大きければ大きいほど、うまければうまいほど、そして巧妙に作られているほど

小説家は人々や批評家に賞賛されるのです。 それはなぜでしょうか。

私のこたえはこうです。 上手なうそ、つまり真実のような作り話を作り上げることによって、

小説家は真実の新しい場所に引っぱりだし、そこに新たな光を当てることができるからです。

(中略)

小説家は隠れている真実を誘い出し、フィクションという真実を正確に領域に引きずり出し

小説という形に置き換えることでその尻尾をつかもうとするのです。

でもそれを達成するには、まず私たちの心の中にどこに真実があるかを明確にする必要があります。

これが上手なうそを創造するための重要な条件なのです。


しかし、今日、私はうそをつくつもりはありません。できるかぎり正直に話そうと思います。

私がうそをつかない日は、1年のうちで2,3日しかないのですが

今日は偶然にもその日に当たったわけです。


ですから、真実を話しましょう。
(中略)

「高く堅牢な壁と、そこにぶつかれば壊れてしまう卵があるなら、私は卵の側に立とう」
(中略)

この壁と卵の比喩の意味とは何でしょう。それはごく単純です。

爆撃機や戦車、ロケット弾、そして白リン弾は、高い壁です。

卵は押し潰され、熱に焼かれ、銃で撃たれた非武装の一般市民たちです。

これが比喩の一つの意味であり、真実です。


しかし、これがすべてではありません。

そこにはより深い意味が含まれています。 こんなふうに考えてください。

私たちはそれぞれ、多かれ少なかれ卵なのです。

掛け替えのない大切な魂が、もろい殻に入れられている卵

___________それが私たちなのです。

私もそうですし、皆さんもそうです。 そして私たちそれぞれが、

程度の差はありますが、高くて堅牢な壁に直面しています。

壁には名前があり、「ザ・システム(体制)」と呼ばれています。

体制は本来、私たちを守るためにあるのですが、時に自ら生命を持ち、

私たちを殺したり、他の誰かを冷徹に、効率よく殺させたりします。


私が小説を書く理由はたった一つ。個々の魂の尊厳を浮き彫りにし。

そこに光を当てることです。 物語の目的とは、体制が私たちの魂をわなにかけ、

卑しめることがないよう、警報を発したり、体制に光を向けたりしておくことです。

生と死の物語、愛の物語、読者を泣かせ、恐怖に震わせ、笑いころげさせる物語。

小説家の仕事は、そんな物語を作ることによって、個々の魂のかけがえのなさを

明確にする努力を続けることだと信じています。

私たちはそのために毎日毎日、まじめに作り話を作り続けているのです。

(後略)



つづきは、また気が向けば引用したいと思っています。


私たちは「卵」だとしたら

弱い殻で身を守り生命をいかに維持し、成長させていくか

毎日、懸命に生き続けていくことの尊さが想像できて

この「卵」の比喩は考えさせられました。

















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Last updated  Nov 16, 2012 10:27:13 AM
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