ウクライナの栄光は滅びず
自由も然り
【反転総攻撃が開始された】
栄光あれ!
『天使は力強い声で叫んだ。「倒れた。大バビロンが倒れた。そして、そこは悪霊どもの住処、あらゆる汚れた霊の巣窟、あらゆる汚れた鳥の巣窟、あらゆる汚れた忌まわしい獣の巣窟となった。すべての国の民は、怒りを招く彼女のみだらなことをし、地上の商人たちは、彼女の豪勢なぜいたくによって富を築いたからである。」』
ヨハネの黙示録17.9ー18.2・3
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ブログ短編小説『ザポリージャの森』1
この一連のブログ短編小説の主人公は「俺」である。
「俺」はウクライナ外国人義勇軍に志願し、現在、その分隊長の任にあたっている。だが「俺」は、国籍も年齢も、さらには如何なる想いで外国人義勇兵になったかを明らかにしていない。想像ができることではあろうが……。
ウクライナ軍の反転攻勢が始まった。すでに始まっているのだ。
俺たち分隊も、敵ロシア軍が防御線を張っているザポリージャの南部にいる。反転攻勢というが、マスメディアが喧伝しているそれとは大きく違っている。某日○○○○時に、総司令本部の命令一下で反転攻勢が行われるものではないからだ。「反転攻勢」の命令は、すでに発せられていた。それは神経の網細胞のような作戦計画だった。今の戦いは、末端神経細胞部隊が1200kmの前線で戦っているに等しいのだ。それでも確実にロシア軍・ワグネル部隊を消耗させてきた。当然、味方の損耗もロシア軍に比べれば7:3の3である。これが戦争の現実なのだ。
俺たち分隊は、虫眼鏡で見ても見つけることができないほど、極小末端神経細胞だ。それで良いのだ。確実に任務を成し遂げていき、上位の小中大幹神経細胞を守っていかなければならないのだ。
俺たち分隊は、この数週間、もっぱら偵察作戦に出動している。ザポリージャの南、ロシア兵が占拠し、爆薬を原子炉付近に埋設しているザポリージャ原発近くだ。
ドニプロ川の対岸南3kmに見えるザポリージャ原発。一度、ウクライナ特殊部隊がゴムボートで川を渡り奪還作戦を行ったが、失敗し撤退した。敵の防御は堅かったのだ。しかも原発を防御の盾にしているから、その敵を掃討するのは困難を極めるはずだ。
そこで俺たち分隊は、ドニプロ川を大きく迂回し敵の防御塹壕線の西端、ザポリージャ原発寄り側にある、俺が名付けた「ザポリージャの森」に向かっている。
だが俺たち分隊にも、くそ重い軍用バックパイプが配られ担ぐ羽目になった。俺も皆も気づいている。もちろん、対放射能対応の知恵は教えられていた――プーチンが負け戦と思った時、戦術核とザポリージャ原発を腹いせに悪用する可能性を――侵攻ロシア軍が一斉に撤退した時が危ないと。そこで我々の分隊もだが、放射能防御装備を詰め込んだ軍用バックパイプが、完全ではないが、憂慮すべき事態の3日間に耐えられるのだ。使われないこと願っているが……。
俺の分隊は、夜陰に溶けこみつつ敵ロシア軍の塹壕に近づいて行った。敵塹壕の背後、東の方向5,60kmで人工のいびつな日輪が一個二個三個と夜空を照らしていた。そして大爆発音が――
いよいよ第三作戦が開始されたようだ。
俺たち偵察分隊は、敵塹壕の西端にとりついた。そこは「ウクライナの森」の起点である。ここからは敵の地雷原に最大の注意を払うことになる。対地雷探索隊員2人と護衛隊員2人の役割である。進入路の確保だ。彼らは100m毎に「安全路」を切り開いていくのだ。100m前進して、また100mと。地雷原を縫うように「安全路」が出来ていく。地雷原の配置に関しては、捕虜のロシア士官兵の自白と地雷を示す地図を参考にしている。参考? そうだ。あくまでも参考なのだ。たとえ事実であろうとも、俺は信じちゃいないのだ。臆病なほど疑うべきだ、と俺は思っているのだ。
俺たち偵察分隊は、未明の3時に500m前進して円形の陣をつくった。12個の蛸壺(たこつぼ)を堀り、身を隠したのだ。俺たちはインカムでつながっているが、声は出さずマイクを小さく叩き合図を送った。
「トントントン(待機せよ)」俺が叩いた。
「トントントン(了解した)」と各自が応えた。
俺は、カモフラージュしアンテナを兼ねた暗視潜望鏡を穴から1m突き出し、360度を監視している。俺と2人の3人が一時間ごとに、そうしていくのだ。
(つづく)