rad.(ラッド)のファーストアルバムを紹介。ファンキーなアシッドジャズ。良いですよ。
【No.362】
・rad.:radified (1992)
以前に傑作2ndアルバム「Gotta Be」【No.68】を紹介したrad.。彼女は現在も活躍中のシンガー兼キーボーディストです。一般にはマイナーかもしれませんが最近の作品は日本盤で出てますし、それなりに知られた存在ですね。2ndではTower Of Powerのホーンセクションや、David Garibaldi(dr)が参加したファンク度の高い作品でした。前も書いたかもしれませんが、彼女はフィリピン出身で、ベイエリアで活動していた頃にドイツのSoulcietyレーベルに目を付けられハンブルグを拠点に活動していました(今はどこを拠点にしているのか調べてないので不明)。本作は1stアルバムで、92年にLPで発売されてますが、今では廃盤。ただDL出来るサイトはあったと思います(HPもありますよ)。私が持っているのは96年にSoulcietyからリリースされたCD。rad.のファンで本作を探している人もいるかもしれませんね。全曲rad.のオリジナルでアレンジも殆ど彼女。ヴォーカルも個性がありますし、キーボード(エレピ等)もツボをおさえた演奏で、トータルとして優れたミュージシャンだと思います。この頃は、丁度アシッドジャズが流行っていましたが、彼女のサウンドは、UKのアシッドジャズとは異なるファンキーさが魅力でした。ドラムもカッコいいです。1stは2ndほどファンク度は高くなく、もう少しアシッドジャズ色が濃いですが、ファンキーでグルーヴィーな「first jamm」「wishy」「i've been waiting」「soul society」「get radified!」、スキャットチューン「veinte y dos」、ラテンタッチの「homegirls cha cha network」、穏やかな「time to change」等、中々多彩な内容。演奏面でのキレは2ndが上ですが、1stの段階で曲やサウンドにおいては既にrad.らしさが確立されており、好内容です。3rd「Higher Plane」はイマイチですが、4th「Make Every Second Count」やライヴアルバム「Live At The New Morning, Paris」は評価も高いようですし、再びファンク度も増しているようです。実力派のバックを従えて来日もしていたと思いますので、人気も再燃といったところでしょうか。最近の女性シンガーとは一味違うカッコ良さが彼女にはありますね。