Steve Kuhn。ECMでの第1作目。定番です。
【No.364】
・Steve Kuhn:Trance (1974)
Steve Kuhnは有名なジャズピアニスト。Steve Kuhnが参加している作品としては、過去Karin Krogの大傑作「We Could Be Flying」【No.7】を紹介済みです。本作は彼のECMでの第1作目。傑作として知られていますし、クラブジャズを扱う雑誌等でもとりあげられる事の多かった作品です。曲によっては、エレピを使用するなどクロスオーバー色もあり、その辺も好みですね。エレピに関しても、他のピアニストと違うKuhnらしさがあります。他のメンバーもSteve Swallow(b)、Jack Dejohnette(dr)、Sue Evans(per)と強力。主役のKuhnを除けば、Jack Dejohnetteもいいですが、Steve Swallowのベースがカッコよすぎです。全体としては美しい作品という印象が残りますが、美しいといってもKuhnならではの独特なものですし、スリリングな演奏も聴きものです。全曲Kuhnのオリジナル。幻想的でリリカルな「Trance」、エレピを用いた疾走感のある「A Change Of Face」や「Something Everywhere」がオススメです。後の2曲は少しブラジリアンなテイストもありますね。「Silver」「Life's Backward Glance」も短いながら美しい作品で、後のECMでの傑作「Remembering Tomorrow」(1996)でも先の「Trance」と共に再演されています。本作は99年に世界初CD化され、それ以来長く聴いている作品です。クールで硬質なサウンドも気に入っています。HMV等で
試聴できますよ。Steve Kuhnは、アルバム毎に音楽性が異なりますので、自分に合った作品を探すのが良いと思います。前述の「Remembering Tomorrow」も大好きですし、他にも良い作品がありますので、近いうちに(忘れないうちに)紹介したいと思います。