Bill Evansの異色作。エレピ(ローズ)とオーケストラが心地よい一枚。オススメ&イチオシ。
【No.385】
・Bill Evans:From Left To Right (1970)
Bill Evansについては、過去「You Must Believe In Spring」【No.12】を紹介しています。先の作品は傑作だと思いますが、本作は賛否両論あるマイナーな一枚。このブログでは、Bill Evansに関しては、あえて「Waltz For Debby」や「Portrait In Jazz」といった有名な作品は紹介しません。そういう作品は他のブログで既に紹介されているでしょうし、私より思い入れのある人が多いと思いますから。このアルバムは、Bill Evansがアコースティックピアノだけでなく、エレピ(フェンダー・ローズ)を弾き、またバックに美しいオーケストラを配した作品です。98年にCD化され、ボーナストラックが4曲追加されてます。ジャズファンの中には、イージー・リスニングっぽいという理由で敬遠している人もいるかもしれませんが、変な先入観なく本作を聴ける人にとっては、凄く心地よいアルバムだと思います。本作が代表作でないのは承知していますが、この作品を支持する人は少なくありません。ピアノが素晴らしいのはモチロンですが、本作で聴けるエレピやオーケストラとの共演は捨てがたい魅力があります。穏やかで美しい曲が多く、聴いていると凄く和みますね。リリカルな演奏は相変わらず素晴らしいです。Tamba Trio【No.205】のピアニスト:Luiz Eca【No.46】の「The Dolphin」で聴けるボッサ・テイストもいい感じ。本作におけるハイライトの一つですが、個人的には、Bill Evansの演奏だけでなくLuiz Ecaの曲の良さにも注目して欲しいところ。クラシックの小品のようなメロディーを持つ「Children's Play Song」も好きな曲です。HMV等で全曲
試聴できますので、気になる方は聴いてみてください。今の季節にピッタリな感じだと思います。こういうサウンドは大好きなんですよね。ジャズかどうかなんて、どうでもいいことです。現在でも輸入盤で入手可能。歪みのある箇所があり音質が少し悪いのが残念ですが、オススメな作品です。