Freddie Redd。ピアノトリオの傑作アルバム。これは買いだと思います。
【No.507】
・Freddie Redd:Under Paris Skies (1971)
Freddie Reddのアルバムは、過去「Straight Ahead」【No.446】を紹介してます。ニューヨーク出身のジャズピアニストで、Blue Noteにも作品がありますが、欧州(スウェーデンやフランス)でも活動し、本作や「In Sweden」といった作品を残しています。以前の紹介でも確か本作に触れたように記憶していますが、Freddie Reddのアルバムではオススメの一枚。この作品はパリで録音されたもので、全曲オリジナル。素晴らしい曲が揃っています。哀愁漂う旋律を持った曲もあり、日本人好みのピアノトリオ作品だと思いますね。雰囲気も抜群。近年の旋律重視のピアノ作品には、旋律を重視するあまりジャズとしては面白みに欠けていたり、また旋律が軽く感じられる作品もあるのですが(まあ軽いのも好きなんですけども)、この作品のバランスは絶妙です。旋律に関しても安っぽさは皆無ですし実に多彩。このアルバムを聴いていると、Freddie Reddという人は引き出しの多い人だなあと思いますね。曲によってはクラシックの影響も感じられますし…。アルバムや曲の構成もメリハリが効いてます。聴いた瞬間に長く付き合える作品だなと感じました。全6曲収録。冒頭の「Diane I Love You」から印象的なメロディーを持った曲で最高です。美しい「To Bud With Love」や「You」(この曲はハイライトの一つ、少しMarcos Valle【No.180】っぽいメロディー)、穏やかな「This Heart Is Mine」、爽やかな「My God Is Love」と好きな曲が多くお気に入りの一枚。前に紹介した「Straight Ahead」と比べると、Freddie Reddのピアノが持っている哀愁がより強調されている感じです。パリ録音というのもあるのか、全体の雰囲気もオシャレですね。Freddie Reddを聴いたことのない人は、この作品から入るのがいいと思います。大手ショップでは試聴できないようですが、ジャズピアノが好きでタイトルが気になった方は買って後悔することはないでしょう(勝手に決め付け)。昨年再販されていますが、この作品も大手レーベルからの発売ではないので、今のうちに買っておくことをオススメします。以前に入手困難になった実績がありますから。