Tina Brooks。Blue Noteでのファーストセッション。ゴキゲンなジャズです。
【No.552】
・Tina Brooks:Minor Move (1958)
Tina Brooksについては、リーダー作で名盤とされる「True Blue」【No.404】や、参加作品としてFreddie Hubbardの名盤「Open Sesame」【No.529】を紹介しています。才能のあるアーティストでジャズファンの間でも極めて評価の高い人ですが、短い人生だったのに加え、録音時はお蔵入り・後になって発表という作品が多く、その辺が一般的な知名度にも影響しているように思います。「Back To The Tracks」も良いのですが、今回はBlue Noteでのファーストセッションをセレクト。これも58年に録音されながら、80年に日本で初めて発表された作品です。「True Blue」の次に買ったTina Brooksの作品で聴いた回数も多いですね。スタンダードからオリジナルまで実に痛快で味わい深いハードバップ。5曲中2曲がTina Brooksのオリジナル。特にTina Brooksのオリジナル「Minor Move」やスタンダード「Everything Happens To Me」が素晴らしい出来。「Minor Move」はTina Brooksのオリジナル中でも好きな1曲です。グルーヴィーな「The Way You Look Tonight」も好み。先の名曲「Everything Happens To Me」は以前紹介したジャズピアニストDuke Jordanの「Flight To Denmark」【No.138】に収録された演奏が個人的には印象に残っていますが、サックスによる本作の演奏も魅力的で気に入っています。バックのメンバーは、Lee Morgan(tp)、Sonny Clark(p)、Art Blakey(ds)、Doug Watkins(b)とBlue Noteらしいメンツ。Lee MorganやSonny Clarkも良い演奏を聴かせてくれますし、伸びやかなTina Brooksのテナーが全体に心地良いですね。HMVで全曲
試聴可能。聴きやすく楽しい作品ですので、この時代のハードバップが好きな人にはオススメですね。月並みな表現ですが、なぜお蔵入りだったのか理解できない作品です。