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2005年05月02日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
約5年の時を経て、ようやく黒井千次の「羽根と翼」を読了。
たぶんこのタイミングでなければ読めなかったと思われるほど
時間が取れないので、読めてとてもよかった。
(ちなみにわけもなく一度途中で挫折している。)

読後感。
中高生のとき以来、黒井千次から離れていたので、
読めるかどうかちょっとどきどきしていたが、
やはりとても素敵なスタイルを今でも貫いていることに感動を覚え、
同時にこの小説家は本当にすぐれているなあと実感した。

特にこれといって難しい言葉を使うわけでもないのに深みがあるのは
それまで歩んできた人生のひだの数だということは言うまでもないが、
それ以上に言葉に力がある。

内容としては、今の自分とはあまり近くない世界、
定年後の初老の話になるのだが、
隣に迫るような恐怖感、焦燥感を覚えた。

年齢は関係ない。
今は年代を問わず、多くの人間が定年後のそこはかとない「迷い」を感じているだろう。
仕事に生き甲斐を見いだせない、家族を守ることにも、
知らない世界に想いを馳せることにも、足りない力を埋めようとすることにも、
理解を深めていこうとすることにも。

すべてにおいて短くなってしまったために、
すべてに対する距離感がつかめなくなってしまった。

そして自己の内面を広げることができずに飽和状態になっている。
それを打破するために、原始的な方向に向かおうとする向きもあるが、
それは決してマスにつながるものではないことは容易に想像がつく。

取り返しのつかないところまで成熟してしまったならば、
次に何を求めるのか。

まるで国全体が「定年後」を迎えたかのような錯覚。

ただ静かに諦念をもったまま死へと向かうのだろうか。


彼の、執拗なまでの老いに対する自問は
派生してたくさんのことを想像させる。
そして恐怖を覚える。

だが、本当の意味において、もがく姿とは裏腹に、
そこからきちんと次の一歩を知っているかのような
もしくは知らせてくれたような気分になるのが不思議だ。

512枚という原稿の枚数を感じさせずに
一気に読める秀作だと思いました。

それぞれのキャラクターがもう少し際だつと
より心地よい印象をもてたと思う。


【最近の疲れるもの】
小学生。マジで教育崩壊を感じさせる。
こんな世間で生きているから仕方ないと諦めるべきか、
それとも憤慨してなんとかしようと発起すべきか。






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最終更新日  2005年05月03日 03時36分34秒
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