テーマ:撮影現場での話(174)
カテゴリ:映画
撮影がすべて終了しました。
なんやかんやありましたが、撮影終了です。 今回は、人で悩みました。 最初は体調不良を起こした人。 次は、怒られるのが怖いので、決してマイクを持とうとしない人。 さらに、何を言っても注意しても返事はその時ばかりの、欠陥人間。 最後の事件は、クランクアップとともに聞かされました。 まさに、青天の霹靂です。 以前にこのブログでも登場した中国人スタッフの張さんの話です。 私たちの日本から持ってきたワイヤレスマイクが上海に来てすぐに壊れました。 残念ながら、ここ上海では修理はおろか、軽いメンテナンスも出来ません。 そこで、アジア圏では有名な「シネレント」に機材を借りる事になりました。 シネレントは中国にも沢山の支店を持ち、北京・香港などで重宝がられていると聞かされていました。 そこで中国の録音の事に詳しい張さんにワイヤレスマイクを借りてきてもらう事に・・・ シネレント側は「カタログには載っているが上海の支店にはその機材はありません、必要なら、北京から送る事になります」とのこと。 早速、送ってもらって使用していました。 上海でのセット撮影が終わりに近い頃、ロケになると出演人数が減るし、レンタル代金も馬鹿にならないので「一度、シネレントのワイヤレスマイクを返却しよう」と言う事になりました。 そうすると、シネレント側は「一度返してもらっても、機材を北京に戻す料金が発生するので、そのまま持っててもらってもかまわないし、もちろん、使っていない間の料金は値引きしてくれる」ってことでした。 私たち録音部と製作部は安心していました。 で、クランクアップを迎えた日です。 張さんが、あろう事か香港人で一番ヒステリックな女性プロデューサーに「返却するのに現金でなければダメだ!全部で10000元」 さらに、ワイヤレスマイクの送信機を指し示して、「ここが傷ついた、修理代金に2000元が必要だ!」と迫ったらしいのです。 (すべてをお金で解決する女性プロデューサーなので、迫った所は間違いではないのだが・・・) ところが、修理代金はプロデューサーとのやり取りの中で900元まで下がり、レンタル代金の10000元の領収書は発行されないらしいのです。 どう考えても変です。 会社として「シネレント」があるのであれば、振込でも大丈夫であるし、領収書も当然出るはずです。 さらに、修理代金がダンピングされる事はありません。 からくりはこうです。 張さんは「シネレント」から借りたと言って、友人から借りてきたのです。 一度返却すると話が出た時も、張さんが面倒くさいし、張さんのお金で北京まで返さなければならないので「持っていても良い」と言ったのです。 もちろん、その時点で友人との話は1ヶ月借りるとなっていたのです。 そして、シネレントの値段表から考えると割高で、借りた時に傷がついていたのか分からないような箇所を指摘して2000元を吹っかけ、 仕方なく900元で我慢したのです。 彼の懐ははち切れんばかりになったのではないでしょうか? 中国では、だまされる方が悪いのです。 だましたヤツは、反省さえしません。 「何が悪いんだ?」と怒ることも当然の人たちです。 最初に出てきた欠陥人間が、周りに気を使ったり、送られてきた機材をチェックしていればこんな事態にならなかったに違いありません。 この欠陥人間には先ほど判明したおまけがあります。 「機材リストを日本に置いてきました」 しかも、クランクインした頃の9月中旬の機材リストで、上海に持ってきた機材の為のリストは存在しないのです。 つまり、何を何処から借りてきて、今現在どの箱に入っているのか分からないのです。 もう一度、返却の為の梱包するのに、何をどの箱に梱包すれば良いか分らないのです。 東京に帰って梱包をやり直すと言ってますが、この欠陥豚野郎は次の仕事が決まっていて、 そんな余裕は無いはずなんですが・・・? この欠陥豚野郎とは二度と口もききたくありません。 話は戻って、 幸い、いままでのところ録音部内では盗難騒ぎはありませんが、撮影隊全体の中では備品を満載したトラックが姿を消したり、 いつもご機嫌だった香港人プロデューサーのうちの1人が大金を持って行方不明になっています。 女優さんのデジタルカメラも無くなったと噂されています。 皆さんも中国に行く際はご注意ください。 日本に帰る間際が一番危ないらしいので、気を引き締めて、今晩の「Wrapパーティー」に参加してきます お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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