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幼稚園に通い始めた娘の「初めてのお弁当」
母は、どうすれば「食の細い娘が全部食べてくれるか」考えた末、
小さなおにぎりを３つ作り、そのお弁当を娘に見せながら、
「この３つのおにぎりは、１つはお父さん、１つはお母さん、そしてもう１つがあなた、３人が離ればなれにならないように、あなたのお腹の中でまた仲良く出来るように、３つともチャンと食べてね」と説明した。
娘は、微笑みながら返事をして、きれいに食べてきてくれた。

母は、幼稚園でお弁当のふたを開けるのが楽しめるようにするため、
登園前にお弁当を見せるのは、この最初のお弁当だけにした。
それでも、おかずに変化があっても、おにぎりは３つはつづけた。

娘が年長さんになり、もうすぐ卒園を迎える頃、
2年間作り続けたお弁当作りもあとわずか。
気合いを込めておにぎり作ったが、この日はちょっと小さくなってしまった。
育ち盛りの娘の事を考えると、３個では足りない。
悩んだ末に、この日のおにぎりは４個に・・・。

その日、幼稚園から帰って来たばかりの娘は母に尋ねた。
娘「おかあさん、赤ちゃん出来たの？」
母「なんで？」
娘「だって今日は、わたしと、おかあさんと、おとうさんと、もう一人いたよ」

この家族、いまだに一人娘であるらしい。