旧譜でごめんねっ！～音楽は記憶の栞～

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　親戚や知人のお力添えを頂戴し、無事に葬儀を終えることができました。
　時間給水や断水が懸念される当地へ、通夜の日から降り始めた雨。それは雨足を変えながら本日の昼頃まで降り続きました。


　自宅での仮通夜を終え、近所の方々に見送られてセレモニー会館へ。その数時間後、人生最後のステージが完成。中央にマイクがセッティングされていましたが、カラオケ好きだった爺さんのためではなく、ましてや私のためでもありませんでした・・・。


　爺さんよぉ・・・最期は楽だったみたいやの。
　盆の帰省で正光っちゃんや豊ちゃんとも会えとったし、よかったやん。
　しかしやな、逝くなら逝くで、なんかそれらしい兆しを見せてくれんと困るわな。顔色えぇわ、普段と変わりないわで、ちょっと血圧下げてみただけでは解らんやろ？普通(^_^;)


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　何一つ自分でできない人でした。食事は勿論、婆さんが居なければ着替えを置いた場所さえ怪しいもの。そんな人がたった一人で旅立ちました。
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　初めて婆さんと長いコト別れるの？大丈夫なんな？(^_^;)　病室で「俺が先に逝くだろうけど、オマエも早めに来てくれよ」とか伝えたらしいの、婆さんに。・・・勘弁してやれよ(^_^;)　やっと気ままな爺さんの世話から解放されたんや、しばらくはのんびりさせてやってくれよ。
　婆さんの事は心配せんでえぇわ、爺さんより手間がかからん。慌てて婆さん迎えに来んでえんやで。の？
　あ、そうそう、その婆さんから伝言や。「寒かったら厚手の靴下は右の足元、出かけるときの靴は左の足元。シャツやパンツはその真ん中に置いてあるけん、後は自分でどうにかしまい」やと。
　肝心なモノだろ？わかっとる。競艇と競輪の予想紙は腹の上。赤と黒の鉛筆は右の手元。・・・競馬ブックは顔の左側に置いた。万船、万車、万馬どれでも好きなん当ててくれ。あ？酒か？競馬ブックの下にあるはず。それぐらいは探してくれ、自分で(^_^;)


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　何故だか、長男が跡を継がない桂家。初代が頭だった建設業の「桂組」を守ったのは二代目まで。三代目に当たる故人が、家具製造業の「かつら木工」へと変更させたのです。
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　そっち逝ったら一番おっきい爺ちゃんも居るし、次の爺ちゃんも居るの。こっちでは爺さんが親方だったけど、そっちでは一番下っ端になるの？(^_^;)　またやるん？大工か木工所やるん？職人やるん？
　やるんだろうの・・・。そう思って、とりあえず巻き尺と罫引きは入れといた。ノミやカンナは親父が使うらしいけん、要る時に取りにくるかい？
　儲けるんは下手クソだったけど、人の何倍も仕事だけはしたの。
　そうやのぉ・・・う～ん・・・今は気乗りせんけど、また今度があるんだったら、もしあるんだったら・・・



　今度は俺が跡目を取ってやってもえぇかの・・・。



　爺さんに似て気まぐれやけんの、俺も。その時一緒に酒でも飲みながら考えるわ。の？

　とりあえずご苦労さん。

　・・・しばらくは休みまい。ゆっくり休みまい。
　(^_^)ﾉｼ
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管理人・桂水割