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居心地屋やまぢ 女将のブログ

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Soyumi

Soyumi

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2006年10月12日
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カテゴリ:私的なこと
結婚当時から、主人とよく話していました。
『二人で店ができたらいいね』


私も主人もサラリーマン。
店が持てる時なんて、何十年も先だと思っていました。


『いつか、主人と店を持ちたいと思っているの』
職場でも、私は時々言っていました。


夢の実現に向けて私たちがしていた事は、お酒の勉強くらいでした。
主人は料理が好きで、若い頃飲食店に勤めていたこともあったので、時々料理を作ってくれていました。
私の勤めていた会社は酒屋だったので、お酒の事に関してはかなり勉強になりました。
また経理も少ししていたので、飲食店を裏から見ることができました。


新しい年が始まって間もないある日、私が勤めていた会社の社長から呼ばれました。

『あんたの親戚がしている店の鶏、今、余っているみたいだけど・・・。
          店を出すのに向けて、ご主人に修行させてみないか?』


これは社長の提案であって、会社の利益になることではありませんでした。
社長は、私たちが店を出したいという事を、誰かから聞いて知っていたのです。

ちょうどその頃はまだ、みやざき地頭鶏の名前が知れわたっていませんでしたので、肉がたくさん余っていました。

また、主人はその頃、会社のゴタゴタに巻き込まれて会社を辞めたいと思っている時でした。
(その事も、社長はうすうす知っていたのかもしれません)


お金もなかったし、子供は3人いたし、私一人の給料で家族を養っていくのはとてもきつい状況でした。

でも、これはチャンスの時だと思いました。

『神様からGOサインが出た!』

私たちは、素直にそう思いました。


主人は会社を辞めて、親戚の店で修行を始めました。
目標があるから、吸収はとても早いものでした。
無我夢中で、修行していたようです。
少ない生活費の中から無理してお金を作って、他店に食べにも行きました。
(子供が3人だったので、よけい大変でしたしょんぼり)


そのうち物件が決まりました。
私のいた会社の社長には、とても仲良くしている不動産屋さんがいました。
その人から、とても早くいい物件の情報をいただいたのです。

銀行からの借り入れも、社長の口添えでスムーズにいきました。

信頼できる工務店さんも、社長に紹介してもらいました。


そして9月にオープン。
こんなに早く、私たちの夢が叶うなんて!!


朝8時までに、主人は店に私は会社に行きます。
会社の昼休み、私は店を掃除に行きました。
夕方、家に帰って夕食の支度をしたらすぐに店に出て、店がすんでからも主人と朝方までずっと店の話をしていました。
こうやってみたい、ここはこうした方がいいかも。。。話は尽きないのです。


当然、睡眠不足で昼の仕事にも支障が出てきました。

そのうち、社長が言いました。
『あんた、今月いっぱいで会社を辞めなさい。見ておれん。』

11月でした。
その会社の12月は、戦争のように忙しい時期です。
私は、12月いっぱいは絶対に辞めてはいけないと思っていました。
会社は12月末で辞めて、1月から店に専念しようと思っていました。

それでも、社長は11月いっぱいで辞めろとおっしゃったのです。

社長の優しさに、私は涙が止まりませんでした。
私は、11月末に会社を辞めました。
(実は、12月のボーナスも出してくれました・・・)




この社長は、今は会長になられています。
今日用事があって会社に行ったら、たまたま会長もいらっしゃいました。

『何にもなければ、今頃はあんたは会社の中心になっている人だったのになぁ・・・』

会長は、遠くを見るような目でそうおっしゃってくださいました。
私が会社の中心人物だなんて、それは私をかいかぶりすぎ・・・ではありますが、とても嬉しいお言葉でした。

この会長がいなかったら、今の私たちはありません。
今の店はありません。



私が言えることは・・・夢は必ず叶うのです。

言い続けることによって、協力者は必ず現れます。

チャンスが来たら、絶対に逃してはいけません。

チャンスの神様には、前髪しかないって聞いたことがあります。
通り過ぎてからじゃ つかめないのです。

そして、願い続ける事です。

努力を惜しまない事です。



今、私は新しい夢を手に入れました。

日本のあちこちに、障がい者も健常者も隔たりなく楽しめる店を作ること・・・。

おかげさまで、ユニバーサルデザイン(バリヤフリーを一歩進めたデザイン)を手がけている設計会社さんとも出会うことができました。


夢は必ず叶います。

そして、夢は広がります。








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最終更新日  2006年10月12日 21時24分59秒
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