香港に日本食たるものが上陸したのは約40年前ぐらい。すっかり香港の食生活になじんできたが、私はDOMONのメニュー作りの手伝いをしているが、下の写真を見てもらいたい。メニューにやたら商品の写真が多く、価格が大きく記載されている。「いい加減さばの塩焼きぐらい香港の人も解るだろ」と思いたくなるが、店側はとにかく「写真をいっぱい、価格は大きく載せてくれ」という要求が常だ。
「メニューを見る視点が日本人と香港人では違うのでは?」と考えるようになり、一度レストランと全く関係ない香港人の友人にたずねてみた。
「DOMONってセットメニューが多いでしょ。香港人はそのセット内容がどれだけバリューがあるのかビジュアルで確認したい。その料理を知らないから見るのではない」
つまり、ご飯、漬物、味噌汁、さばの塩焼き、サラダ、きんぴらごぼうのセットが60ドルとしよう。ここで香港人はセットの中身が単品でいくらなのかを丁寧に見る。ご飯が10ドル、漬物5ドル、味噌汁5ドル、さばの塩焼き25ドル、サラダ15ドル、きんぴらごぼう20ドル 全て単品で頼むと80ドル。だからセットを頼むと20ドルお徳。じゃあこれを注文しよう。となるわけだ。
それから、香港人は自分で選べるセットが大好きだ。「ラーメンはこの6種類から1品、サラダはこの4品から1品、副菜はこの10品から1品選べます。飲み物はプラス5ドルで付けれますよ。飲み物は単品だと15ドルでしょ。お徳でしょ?これで60ドル!!」。。。DOMONも私の店もこの系のメニューを準備しているがバカ売れである。
客に選ばせて、これがどれだけお徳なのかをしっかりとビジュアルでお客が確認できるメニューづくり、出来る限り紙面を料理の写真で埋め尽くすのが基本なのである。