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カテゴリ:中国ですから
先に、中国製ギョーザにかんしてブログをしました。このような中国製品の事故が日本で発生すると、日本人として中国を理解し、日本のクライアントの満足を得られるよう中国の方をおだてなだめて良品を生産させるという、いわば日本と中国の橋渡し的仕事もしてきた私はちょっと考えてしまう事があります。
「すべて中国のせいなのか?」ということです。 基本的にわかってもらわないといけないのは、「日本に輸出されるほとんどの中国製品は世界最高水準の品質」ということです。その″最高水準″を生産するためには中国の方はどんな手段でも使います。というより日本からの暗黙の強制も存在するのです。 12年前、私は冷凍野菜の買い付けの仕事をしていました。日本からの要求は「長さは±5ミリ以内」、「野菜のシミ、虫食いは認めない」、「殺菌洗浄は厳重に、でも殺菌臭がしてはいけない」等々、自然物を扱っているからサイズは工業規格のようには行きません。しみのない、虫食いのない野菜にする為には基準値を超えた農薬散布も必要になってきます。絶対安全を得る為には殺菌臭がするまでの殺菌剤も使わないといけないかもしれません。そして、その中から良品だけを買う。「あんたの損は知ったこっちゃない。いいものさえ買えればいい」。暗黙の強制です。 アメリカやヨーロッパの買い付け方は、例えば「農薬残有量は●×%以内。それで虫が食うののならそれも買う。しかし虫食いした野菜が含まれている%が10%なら10%分はまけろ」という買い方をするそうです。注文数量も日本向けの20倍30倍です。 2年前、雑貨の生産に立ち会いました。客は商品の検品と生産状況の確認。そして私たちが選択した工場が客の規定にあった登録工場になりえるかの確認に中国に来たのです。 金属製の小物(バッジやベルトのバックル等)を生産する工場で、金属は砂利、水、そして研磨剤の入った洗濯機みたいな機械に入れて数時間研磨をかけます。客の要求で「研磨があまいので研磨剤の量と、研磨の時間を倍にしてくれ」といわれました。その工程につかう水や残存研磨剤はガンガン排水として流してしまいます。 次は、メッキです。ここでもクレームがつき「メッキが薄いのでもう1度メッキをしなおしてください」。メッキに使用する電解水はガンガン使用し、ガンガン排水として捨てます。 お客さんに聞きました「登録工場になるためには、何をクリアーしなければいけないのですか?」。「会社規模、清潔衛生、工員の人権問題や環境問題に触れていないかを総合的に見て判断します」。。。。「人権?環境?」 怒りがこみ上げてきた記憶があります。 日本の過度に高い品質基準を守る為に中国の工員の人権がどれだけ無視されているか。1日14時間労働の10日連続勤務なんか当り前です。研磨剤、それよりも特に有害なメッキの電解水を排水として垂れ流す事がどれだけ環境に悪い影響を及ぼすのか。。。日本の品質を守り、尚且つ中国の方がそれで飯を食っていかなければいけないという状況の裏で、このようにどんどん″世界の工場″中国を傷つけてしまっているのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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