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テーマ:ワイン大好き!(30749)
カテゴリ:新技術
日経新聞によれば、 松下電器産業などは、タンパク質を使って 高性能メモリーを作る新技術の開発に成功したという。 極めて小さい金属を規則正しく並べるのにタンパク質の持つ 特殊な現象を利用するという。 新技術でメモリー素子を作り動作を確認したという。 既存の半導体技術では困難な数ナノメートルの微細加工が 可能になるという。実用化すれば切手サイズで1テラバイトの 記憶容量を持つ素子を低コストで作れると見ているという。 松下電器のほか、東北大学、東京工業大学、大阪大学 などが参加したという。成果は3月27日から千葉県 船橋市で始まる応用物理学会で発表するという。 開発したのは、タンパク質の中に金属を入れて基盤上に 規則正しく並べてメモリーを作る技術であり、 金属を入れるタンパク質には、「フェリチン」をよばれる 内部が空洞の球状タンパク質を使うという。 直径は12ナノメートル程度であるという。 まず大腸菌を使ってフェリチンを大量に作り、 金属が入った溶液に浸すと金属の微粒子がフェリチンの中 にはいると言う。動作不良の原因になるアルカリ金属を 除去するため、ろ過するという。 電極などを作り込んだシリコン基盤にフェリチンを 含む溶液をたらすと、フェリチンは「自己組織化」と 呼ばれる作用によって、あらかじめシリコン基盤の上に 作った有機分子膜のパターンに沿って規則ただしく並ぶという。 さらに、洗浄・乾燥の後、摂氏500度程度に加熱すると、 金属の微粒子だけが規則正しいパターンのまま残るという。 このシリコン基盤に既存技術で電極を載せてメモリー素子を 作ったという。電圧をかけて電流を流したところ、 メモリー素子に必要な電気的特性が得られたという。 これまでもタンパク質を使って金属を規則正しく並べる技術は あったという。しかし、タンパク質はナトリウムなどの アルカリ金属を含む生理的な環境でしかうまく機能しない とされていたという。 半導体中ではアルカリ金属は故障や誤作動の原因になるため、 実際に動作する素子の作成は難しかったという。 新技術ではアルカリ金属をほぼゼロにしてもタンパク質が 上手く働き、規則正しい構造ができたという。 実用化すれば従来の30倍以上の大容量メモリーを 低コストで作れるなど幅広い応用が期待できるという。 5年程度での実用化を目指す。 さて、ここで次に予想される進歩は、 バイオコンピューターであろう。 バイオコンピューターではレアメタルや化石資源の利用が 少なくて済み、また、廃棄処分もバクテリアと水と大気の 大循環ですますことが出来るであろう。 これは、資源・エネルギー・環境問題の解決としても 期待される、革新的新科学技術となろう。 一方で、同じ日経新聞に新型万能細胞の記事が載っている。 この新型万能細胞技術は、医学の世界から、工学・応用科学の 世界に近い将来移行することになることが期待される。 それにより、まずは、バイオコンピユーターと相まって サイボーグ型ロボットの誕生を促しうるポテンシャルをもっているほか、 人に限らず、様々な動植物などの細胞を必要な性能のものとして 増殖させ、結果的に、バイオ系の機能素材を生み出すことになろう。 こうして出来上がるバイオ系の機能素材により、 およそあらゆる工学技術の結果が、 レアメタルや金属、プラスチックなどの素材の役割を減少させ、 バイオ系の高機能素材技術が21世紀の主流になることであろう。 すなわち、太陽エネルギーにより育ち、不要になると、 太陽エネルギーによる水と大気の大循環とバクテリアの作用により、 大気圏外の宇宙に廃棄できる様な種類の 機能素材、ロボットなどが完成されることになろう。 当然、CO2の減少をはじめとする、地球環境問題の解決や、 資源・エネルギー・環境問題の解決に大きな影響を与え、 21世紀型の新産業革命が起こり、 それにより、20世紀型の経済産業システムは 大幅に転換を要求されるようになることであろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Mar 22, 2008 01:53:21 AM
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