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テーマ:ワイン大好き!(30749)
カテゴリ:新技術
日経新聞によれば、
農林水産省は親と同じ遺伝子情報を持つクローン牛 から生まれた次世代クローン牛について、 「一般牛の乳や肉と比較した結果、 生物学的な差異は認められなかった」 とする報告書をまとめたという。 農水省と厚生労働省は、内閣府の食品安全委員会に この報告書を諮問する検討を進めており、 安全性が認められれば、国内でのクローン牛の流通 につながる可能性もあるという。 調査は国内の大学などで誕生した体細胞クローン牛に加え、 クローン牛とその子にあたる次世代クローン牛について 全国的にデータを収集したという。 報告書では「データが存在するいずれの調査分野においても 一般牛との差異は認められなかった」と結論づけたという。 調査は独立行政法人の農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地ケンキュウジョがまとめたという。 クローン牛をめぐっては、厚労省が2003年に 食品としての安全性について調査し安全性を確認しているというが、 慎重な配慮が必要だとも指摘しているという。 クローン牛の次の世代の牛についても 安全かどうかの調査を進めていたという。 論理的には体細胞クローン牛は親と同じ遺伝子情報を持つ。 全てのクローン牛が同じ体細胞からのものだと、 1頭が病気になると、ほかのクローンも同じ遺伝子情報なので 同じ病気に弱く、その種が絶滅する可能性をもつだろう。 それに対し、次世代クローン牛には、 より多様なバリエーションがありえるだろう。 1)同じクローン牛を父親に持つ体細胞クローン牛 2)同じクローン牛を母親に持つ体細胞クローン牛 3)異なる親クローン牛同士の交尾により生まれた次世代クローン牛 4)クローン牛の父親と、べつの母親一般牛との交尾により生まれた次世代クローン牛 5)一般牛の父親と、べつの母親クローン牛との交尾により生まれた次世代クローン牛 の4種類が少なくとも考えられるであろう。 孫世代までのクローン牛のバリエーションは より多様になると考えられる。 優秀な親牛の遺伝子を残すという意味からすると、 次世代クローン牛として、最も意味があるのは、 タイプ1)とタイプ2)のクローン牛であり、 タイプ3)、タイプ4)、タイプ5)は、 新種の開発素材としては意味をもつが、 それ以上の意味は持たない可能性が強いと考えられる。 とすれば、次世代クローン牛として有効なのは タイプ1)とタイプ2)であると考えられ、 この2世代にわたるクローン行為が安全であるとするならば、 クローン行為一般も安全である可能性が高い。 次世代クローンとしてタイプ3)タイプ4)タイプ5) を考える場合には、優秀な遺伝子をもつ牛の父親と母親を 見つけ出し、 6)父親牛をクローンにして、母親と交尾させる 7)母親牛をクローンにして、父親と交尾させる という可能性が考えられるが、 出来上がった子供牛同士は、兄弟としての遺伝情報を持つにすぎず これもまた、次世代クローンにする意味が無い場合が多くなる。 ということは、やはり、次世代クローン牛とは タイプ1)とタイプ2)を意味しているのであろう。 ということになると、クローンにより種牛を作るという意味では、 タイプ1)のみが有効であり、タイプ2)では数が限られた卵子 の数を増やす程度が限度であろう。 こうしてみると、次世代クローンをめぐる実験的研究は かなり数が多く、手間がかかるので、 本当に十分な検体数を用いて出された報告書なのか 疑問に思われる。 食の安全の見地から、十分な検体数を確保して 結論を出して欲しいものである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Apr 2, 2008 01:20:40 AM
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