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テーマ:ワイン大好き!(30890)
カテゴリ:新技術
中近東のカタールから日本へ一時帰国した7月6日の日経新聞の記事で
最も印象的だったのが以下の様な記事である。 合成繊維原料 三井化学が生産力半減 原燃料高 国内で 設備廃棄広がる 素材業界など 「選択と集中」拡大 すなわち、原燃料価格の高騰を受け、素材メーカーを中心とする企業が 不採算製品の生産設備廃棄や工場閉鎖に動き始めたというのである。 三井化学や、日本製紙グループ、新日本石油なども工場などを閉鎖するという。 原燃料高は当面続くと判断し、事業や拠点の選択と集中に いち早く踏み込み、競争力を維持工場させるという。 日本の製造業は90年代に設備、人員、負債という「3つの過剰」 を削減して収益を改善してきたという。 今回、設備リストラに再び動く事になるが、 新興国は成長を続け、多くの製品の需要はなお拡大が見込まれるという。 化学各社も人員の削減には踏み込まず、高機能樹脂など 成長が見込める製品の生産能力は引き続き増強するという。 廃棄で浮いた人も成長分野に振り向け競争力を高める。 その後、北海道洞爺湖サミットで、これといった革新的な結論は でなかったのであるが、日本の民間企業では、原燃料高を利用して、 代替燃料や脱石油社会へ向かった技術革新が始まろうとしているようである。 続く、7月18日の日経新聞では以下の様な記事が目を引く。 三菱化学、植物樹脂を量産 「脱・原油依存」進める 年産1万トン、生産設備新設 とある。三菱化学は植物を使った合成樹脂の量産に乗り出すという。 2010年度にも生産設備を新設する計画で、従来の主原料である 石油の使用量を減らして食器や家電などプラスチック製品を作れる様にすると言う。 植物樹脂は高価格など難点があったが、 原油価格が1バレル100ドル程度なら競争力があると判断したという。 三井化学も木材からの樹脂生産を目指しており、 石化業界で「脱・原油依存」の動きが加速しているという。 樹脂2種類で植物転換を進めるという。 土中で分解する「生分解性プラスチック」では、 原料の約6割を占めるコハク酸をイモなどの糖分から作る方式に変更。 従来は原油由来のナフサ(粗製ガソリン)から生産していたという。 自動車や家電製品に使うポリカーボネートでも 植物でんぷんを主原料とする量産技術を開発するという。 三井化学はシンガポールの政府系研究所など国内外11社、期間と連携して、 木材や稲わらから合成樹脂を生産する技術の開発に着手したという。 15年度にも量産に踏み切るという。 日本の石油化学業界は主原料の9割以上を原油由来のナフサに依存し、 天然ガスなど多様な原料を使う欧米勢に比べて原油高騰の影響を受けやすいという。 化学各社やナフサ以外の原料を活用する研究開発を強化し、 資源高下での体質強化を狙うという。 各社が進めるのが、天然ガス田からの随伴原油(コンデンセート)など 非ナフサ原料の利用拡大であるという。 天然資源は原油につられて価格が上昇し、安定確保が難しいという。 化石燃料に頼らない原料開発も本格化している。 植物原料では帝人も08年度中に参入するといい、 三井化学は工場排ガスや大気中のCO2から合成樹脂を作る技術を 確立する計画で、09年に実証生産を始めるという。 このように、サミットが停滞する中でも、脱石油化石燃料資源社会へ向けて、 日本の民間企業は確実に舵取りを始めたようである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jul 23, 2008 10:18:06 PM
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