淡水化、温暖化での水不足解消に道
日経新聞によれば、海水から塩分を取り除き飲料水を作る淡水化技術の開発が進んでいるという。技術の要となる逆浸透膜の性能が向上し、淡水化にかかるコストを大幅に下げる事が可能になった。地球温暖化の影響で、世界各地で水不足に見舞われる危険性が指摘される一方、淡水化技術への期待は高まっていると言う。2005年に稼働を開始した、シンガポールのチュアス地区にありハイフラックス社と東レによるアジア最大級の淡水化施設があるという。逆浸透膜を丸めた束が約1800本並び、海水を送り込む施設で、シンガポールの1日の消費量の水の1割の水を毎日生産できるという。淡水化コストは1立方メートルあたり約60円であり、蒸発法による海水淡水化よりは安く、下水の再利用や河川水や地下水の浄化よりは高い中間に位置するという。世界の水資源は97.5%が海水で、淡水はわずか2.5%であり、海水淡水化は温暖化の影響を乗り切る鍵の一つになりそうだという。それに関連し、このブログに、以前以下の様な記事を書き、安部内閣のホームページの目安箱に投稿していた。Dec 1, 2006日本の技術で淡水を作れ 今日の日経新聞で、地球環境問題で持続可能性を維持するには、総力戦が必要であるとしている。バイオ燃料普及については、日米ともに強化するとしているが、熱帯雨林の生態系はくずれ、国立環境研究所や東京大学などによると、2071年から2100年には、日本の夏の気温4.4度上昇し、熱帯になるという。こうした中で、私たちがしなければならないことは、太陽エネルギーを駆動力とする水と大気の大循環システムによるエントロピーの廃棄循環システムの維持である。地球上の生態系はこの水と大気の大循環システムにより、生命を維持しているのであり、このシステムを人体にたとえれば、淡水資源は、血液のようなものである。森林減少に対抗して植林をするにしても、砂漠化した大地で農業をするにしても、海外から農作物を輸入するために、農作物を生産してもらうにしても、結果としてバイオ燃料を手に入れるためにも、淡水資源がなければ始まらないのである。日本は、イオン交換樹脂の技術で進んでおり、すでに、砂漠の石油大国などに、海水の淡水化システムを提供していると聞くが、その技術を、もっと高度化し、経済的にし、先行的に投資する必要があるだろう。地球環境を維持する、水と大気の大循環システムの血液である、淡水確保技術をあらゆる地球上の水不足地域に貢献できるように、経済的に実用化することが、今日本が環境問題解決に対してできる最大の貢献かもしれないのである。