モノが、語る、物語。

昨夜からトイレが異常なくらい近い。
二時間弱おきくらいに起きてトイレ。
で、朝起きてすぐのトイレのときに、
なんだかいつもと違うものがティッシュについてきた。

血液交じりじゃないから、おしるしではないんだけど、
まさか破水？
だとしたら急いで病院に行かないと、ベビーに影響があるぞ。

夫は今朝、防災訓練か何かあるからということで
いつもよりずいぶん早く起き、出勤準備中。
私もそれに合わせていつもより早起きしたところだった。

夫に「今から産院に電話したら、『来い』って言われるかもしれないけど
　　送って行ってくれる？」と尋ねると、一瞬顔が曇って
　「じゃぁすぐ電話して。すぐ行くよ」と。

出かける準備をしていると「急いで！」
エレベーターに乗ってから携帯を忘れたと言うと「えぇ～～～っっ！？」
携帯を取って再度エレベーターに乗ると「超猛ダッシュで行かないと」
と、終始イライラ。
私は、破水したかも、すぐにお産かもと不安なのに、
あんたが考えてるのは防災訓練に間に合うかどうかなのかと思うと
悲しくなって、
「もういいよ。タクシーで行く！」と言った。
夫はイライラしていて「なんで！？ここまで来たんだから早く行くよ」
そりゃ、夫的にもここで今さら「じゃ、タクシーで」なんて言えないだろうけど。

車に乗ってから「破水だったら電話してね。そうじゃなければメールで」と。
私は入院用の大荷物を持って病院の前にポイされ、
もし破水じゃなくて一旦帰宅だったとしたら、
また大荷物を持って一人で帰らねばならんのか。
そう思うとまた残念になった。
「防災訓練はいざとなれば俺はいなくても大丈夫だから」と昨夜言ってくれてたから
防災訓練だけは休んでくれるだろうと勝手に期待していた私も悪いんだろうか。

結果、夫は防災訓練を休んでくれ、
私も破水ではなかったのでそのまま帰宅となった。
夫は帰りも送ってくれた。

それにしても男の人というのは、
お産が目の前に迫っているかもしれないのに、やはり他人事なんだなと痛感。
うちの夫は相当にやさしく気が利くほうだと思う。
でもまず気になったのは私の体ではなく防災訓練のほうだったってのがね。

帰ってきてからじわじわと実感がわいてきたらしく、
「落ち着かない。会社に行きたくない。こんなの初めてだ」って。
私があまりにも元気すぎる妊婦なので、本当に実感がわいていなかったんだって。
目の前で妻が痛みにのた打ち回らないと、
世の夫たちはピンとこないのかもしれないなぁ。