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モノが、語る、物語。

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2007.01.09
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カテゴリ:くらしのひとコマ
やっとその3かよ!ってなツッコミが聞こえてきそう・・・
とにかく慣れない育児にぐったりで、やっと続きを書く余裕がほんの少しできたんです。

陣痛促進剤でやっと陣痛がきたと思ったら、
いきなり3分間隔の苦しみ。

車で二時間弱のところからやってきた両親は
出産がいつになるかわからないというのに愛犬を連れてきてた。
で、父に至っては「母さんがいればいいでしょ。俺は帰る」だって。
アホか。初孫の顔を見らんのかい?
娘の苦しむ姿を見て少しでも励まそうなんて気にならんのかい?
ひとでなし~~~!!!
ま、母が「何考えてるの!?」と叱って引き止めたが。

しかし愛犬をいつまでも車の中に置いておくわけにもいかず、
私も知っているペットのお風呂屋さんに連れて行って
トリミングしてもらうことにした。
土曜日でめちゃめちゃ多かったにも関わらず、
受け入れてくれたお風呂屋さんに感謝。

陣痛がくる前は余裕をこいて
3時過ぎからの「大奥」の再放送を見るんだと言っていたんだけど。
その時間帯は本格的な陣痛が来ていて正直もうろうとしていた。

考えてみると、促進剤を打ってから出産まで7時間。
その間はほとんど記憶がない。
というか、覚えているのは母や夫の手を握り締めていたことと
夫がずっと腰をマッサージしていてくれたこと、
母が足をさすってくれたのが気持ちよかったこと、
私が横向きの体勢でいたいと言ったので
NSTがずれないように助産師さんがずっと手で支えていてくれたこと。

汗をだくだくかいて、きつくて苦しくて
口でゼエゼエと大きく息をしてしまうんだけど、
それだとベビーに酸素が行かないんだって。
助産師さんが「鼻から吸って、口からふぅ~っと吐いてー」と常に声を掛けていてくれたことで
なんとか半泣きになりながら腹式呼吸を続けることができた。

途中、何か言いたかったんだと思うんだけどなぜか出てきたのは
「ビーちゃん(我が子の胎児名)、がんばれー。がんばれー」
ってのと、
「ビーちゃん、ありがとー。○○(夫)ありがとー。母さん、ありがとー。
 看護婦さん、ありがとー。ありがとー。ありがとー」
だったの。
大きな声を出す元気はなくて、囁くみたいだったと思うけど、
これを呪文のように繰り返してた。
不思議なものでね、きついしつらいけど、「ありがとー」って言ってる間が
一番楽だったのよ。

「ありがとー」にはもうひとつ意味があって。
陣痛の合間、母に「母さんも痛かったの?」と聞いてみたの。
「痛かったよー」って。
それに対して、「ありがとー」だったの。

一年前に出産した友達が、心から母親に「産んでくれてありがとう」と言えた
って話してたんだけど、その気持ちが本当によくわかった。

だいぶ子宮口も開いてきたらしく、
膀胱を空にして赤ちゃんが下りて来やすくしてあげましょうか、と
トイレに行くことを指示されたが、
きつくて立ち上がるどころじゃない。
「行かなきゃダメ?」と聞くと「ダメ」と助産師さん。
そのときやっとの思いで座ったトイレで、おっきな陣痛の波が来てきつかったぁ。
トイレの中でうめき声とも叫び声ともつかない声を出していたみたい。
夫も「あのトイレはきつそうだった」と言ってた。

結局おしっこなんて出なくて、尿管カテーテルで導尿したみたい。
おしっこが出て行ってる音だけが遠くで聞こえてた。

子宮口9.5センチ開大で、「いきんでみましょうか」と言われた。

その4に続く。





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最終更新日  2007.01.09 15:20:28
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