カテゴリ:カテゴリ未分類
「しあわせに輝く香り、トレゾア」 それが当時のトレゾアのキャッチコピー。 ミューズはイザベラ・ロッセリーニだったよう。 初めてランコムのトレゾアを知ったのは、まだ二十歳のころ。 地元の百貨店にあったランコムで テスターを吹き付けたのが出会いだった。 当時の私には甘すぎて。 そもそも自分自身が甘々の子どもなのに こんなに甘い香りをつけたら甘さだけしか残らない、と 購入には至らなかった。 が、いずれ大人になったらこれを使ってみたい・・・ 甘さを着こなせるようになったら使ってみたい・・・ そんな気持ちになった、初めての香水だ。 それから4年、24歳の誕生日に父が 「何でも好きなものを買っていいよ」と1万円をくれた。 そのお金で、当時はもう地元から撤退していたランコムに電話をかけ わざわざ取り寄せた。 1万円では足りず、少し手出しがあった気がする。 独身時代、私の身近な友人たちの中ではトレゾアといえば私の香りだったらしい。 地元の街でも、はるか離れた空港でも、トレゾアが香ると振り向いて私を探したらしい。 「合コン必勝の香り」と言われていたトレゾアだが 合コンに3回しか行ったことがないし 何一つ覚えていないので、さほどいいことはなかったのだろうと思う。 この香りは甘い。 とにかく甘い。 寒い季節はいいが、だんだん暖かくなってくると とたんにむせるような気がしてしまう。 それゆえ、トレゾアつけたいな・・・と思う時期には そろそろニットを引っ張り出そう、という頃だし もうトレゾアの季節じゃないな、と思うのは あと数日で長袖シャツ一枚でも出かけられそうだ、という時期。 現在45歳。 初めてトレゾアを買った24歳から まもなく22年がたとうとしている。 この長きにわたり、11月から4月半ばくらいまでは必ずトレゾアをまとっている。 出産・育児で消費量がぐっと減った時期もあったが それでもトレゾアを切らしたことはない。 私はライフワークを大切にするがゆえに 正職が定まらず、フリーターだった時代が長い。 ウエイトレスだったり、塾の講師だったりと 職業はいろいろだったが 香りだけは一定だった。 嗅覚というのは、本能にいちばん近いものだという。 定職がなかったのに私のイメージが支離滅裂でないとしたら 一定の香りをまとっていたから、なのかもしれない。 とはいえ、春夏は数年おきに変えている。 それはそれで、また楽しみなのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.04.27 12:00:06
コメント(0) | コメントを書く |
|