ペルセウス座流星群が今晩ピーク。
帰省で都会から離れる方にとっては、星空を観察する絶好のチャンスである。「観察」なんていうと、難しそうな印象を与えてしまうが、今日は8月12日。今夜(日付は変わって13日の2時)、毎年お盆の時期恒例のペルセウス座流星群がピークを向かえる。運が良ければ、1時間に数十個の流星が肉眼で見られる。ちなみに放射点(流星が放出される中心にあたる所)は、午前2時頃は北東の天頂に近いところ。目印は、W型(この時間は北極星に対して右上に位置するので立っている人には逆さまにM型に見えるが)のカシオペア座とオレンジ色っぽく明るい、ぎょしゃ座のカペラ(光度は0.1等級)や赤色のおうし座のアルデバラン(光度は0.9等級)の間あたりを見ているといい。オリオン座は午前2時の時点では東の地平線ギリギリの所にあるので目印としては微妙。まぁ、時間経過と共に東の空に上がってくるが。都会に近く、光害で、カペラやアルデバランが観察できない状況ならば、流星はあきらめよう。粘り強く観察するには、立ったまま上を向いて見ようなどと思ってはいけない。その姿勢ではとても長時間もたない。ビニールシートなどを敷き、寝ころんでしまうのが一番だ。ただし、車が通るような所では危険なので場所の選択は慎重に。また、違法な場所へ立ち入らないように気を付けよう。もし条件がよければ、ペルセウス座の変光星、アルゴルも見ておきたい。周期的に明るさが変わる星で、今晩(午前2時)なら光度は2.1等級と、結構明るい。…が、この明るさでは、星がたくさん見えてキレイ!という環境では、まず発見は難しい。星座早見盤を持っていかないと無理だろう。星座の伝説に詳しい方なら、英雄ペルセウスが化け物くじらを石化させ、アンドロメダ姫を助けた武器(?)メドゥサの首がこの変光星アルゴルにあたることはご存じだろう。ペルセウス座の周辺には、この伝説に関連する星座が集結していて実に面白い。アンドロメダ座…アンドロメダ姫。ペルセウスに助けられ、後に妻となる。ペガスス座…ペルセウスが化け物メドゥサを退治した時にメドゥサの血から飛び出した天馬。ケフェウス座…ケフェウス王。アンドロメダ姫の父。カシオペア座…カシオペア后。アンドロメダ姫の母。自分の娘の美しさを 海のニンフたちより優れていると自慢したため海神の怒りをかい、 人身御供として娘を差し出すハメに。くじら座…怒った海の神が遣わせた、巨大化け物くじら。暴れ狂うと巨大津波・洪水が発生する。 美しいアンドロメダを妻に、と張り切るペルセウス(正確に言うと、彼が手に していたメドゥサの首)により石化し、海底に沈む。…子どもの頃、すごくこういうのに興味を持っていろいろ調べたなぁ。(いきなり現実的な話に戻るが、)ただし、今日は月が明るくて観察しにくいと思われる。8月20日頃まで比較的よく見えるので、あきらめずに挑戦して欲しい。かくいう自分も、ペルセウス流星群はまだ見たことがない。何となく、「毎年見られるから、別にいいやぁ~。」となってしまいがちなのだ。が、しし座流星群やジャコビニ流星群は見に行ったことがある。まだ20代だった自分…。若かったなぁ…。しし座流星群は、毎年11月中旬。テンペル・タットルすい星から放出される塵(ちり)が原因。このすい星は、ほぼ33年ごとに最も太陽に近づき、2年ほど特に活発に活動する。1998年と1999年がこの活発な時期に当たったものの、残念ながら大出現というほどにはならず。でも沢山見えた。ジャコビニ流星群(別名りゅう座流星群)は、ユーミンの歌でも有名?10月8日頃。毎年活発という訳ではないので、少しマイナーかも。1998年に日本で13年ぶりの大出現が観測された。ジャコビニ・ジンナーすい星がもとで、周期が6.6年なので、6年または13年ごとに大出現が見られる可能性がある。ただ、ピーク時に日本が昼だと当然見られない。つくづくわかりやすい…。「○年ぶりに大出現」とか「○年周期で見られる」という限定モノに弱い自分。ただ、今晩は本州の広域で天気が悪いようで誠に残念だ。詳しい説明が見たい方は、こちらが親切、わかりやすい。参考に↓。Astroartsの星空ガイドのページ国立天文台のほしぞら情報8月号のページ追記:多数アクセスありがとうございます。どうしようもなく情けないミスをしてしまいました。 ケンタウルス→ケフェウスの間違いです。今、編集し直しました。お恥ずかしい…。 現在、東京は雨です。やはり今夜、星空を期待するのは厳しいでしょうな。