遠出する時間がない。
では、ネジバナ探しに行こう!
・・・というような日々を過ごしていますが、
ネジバナの季節も終盤に差し掛かっています。
少し寂しいです。
さて、『ネジバナ実生苗に蕾が見えました 』
という記事のその後の展開についての続報
になります。
昨年のネジバナのタネ蒔きから1年、たった
ひと株ですが開花と相成りました。
と、その前に、実生の親となった株の写真を
見て頂きます。
(ただし、記録なしで片親は不明のため省略します)
ネジバナ(カール咲き) posted by (C)sasama_tea
左右に開く2枚の側ガク片が後方に大きく反り返る
不思議な形質を持つネジバナの変異体です。
写真には『カール咲き』とタイトルがついていますが、
勝手に私が命名しただけで、このような変異個体
が見つかっているのか不明です。
側ガク片が目立ちますが、6枚全ての花弁にその
傾向が色濃く見えています。
通常のネジバナの花は、どちらかといえば地味で
こじんまりとした印象の花なのですが、反り返って
いるためそれなりに大きく見えるようです。
強いてたとえるとすれば、エリマキトカゲのエリの
部分のような(今となっては分かりづらいたとえ、かも)、
そのような感じです
ネジバナ(カール咲き) posted by (C)sasama_tea
そのカールの状態ですが、場合によっては上の
写真のように、花の後方の花茎を抱き込むほど
反り返ることもありまして、これほど見ていて
飽きないネジバナも他には見当たりませんでした。
ネジバナ(カール咲き) posted by (C)sasama_tea
そして、斜め上から眺めた様子がこちらです。
ネジバナをじっくり観察してきた方から見ると、
きっと妙な光景ではないでしょうかね。
発見時、驚くよりも私はむしろ笑ってしまいました。
このようなものまであるのかと。
ちなみにこの個体には、写真では伝えられない、
ネジバナにしては結構強い香りもあります。
風が吹くと、そよそよと香りが一緒に漂ってくる
ほどですよ。
人によっては好みも分かれるかもしれませんが、
私はこの花特有の香りが気に入っています。
3週間程度の短い楽しみのひとつです。
前置きが長くなりましたが、カール咲きの個体を
母親にした交配の実生の花は以下のようになり
ました。
ネジバナ(カール咲きの実生) posted by (C)sasama_tea
残念ながら、親ほど花弁の反り返りは強く反映
されませんでしたが、それでも基本種の花に
比べるとかなり後方に反っています。
『「花弁が反る」という遺伝形質も、ある程度は
遺伝する』というような結果となりました。
香りは・・・こちらも親ほど強くはなく、少し残念
な結果となりました。
意図的に人工交配で育てた植物は今回が
初めての経験で、1年も待って結果が出た
ことには満足できました。
ネジバナの実生の栽培も、1年で結果が
出せることが判明したのもまた良い成果でした。
今回の結果を踏まえつつ、さらなる交配がまた
始まりました。
結果が出るのは早くて1年後。
途中経過さえも、11月くらいにならないと分かり
ませんが、きながーに、ゆるゆると楽しんで
みますね。
もしも興味を持たれた方がおりましたら、
そろそろ芝生のネジバナにもタネが実る頃合い
ですから、そちらを蒔いて1年お待ちになって
みるのもいかがでしょうか、と勧めてみます。
ちっぽけな植物のたくましい姿が観察できますよ。
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