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もともとらもさんの書いた芝居の脚本を本人が小説化したものです。
前から読みたかったんですが、ようやく読むことが出来ました。 話の舞台は孤島の精神リハビリ施設で、内容はサスペンス・ホラーです。 あおりの文句で「3分の2は笑い、3分の1は恐怖」というキャプションがついていますが、笑えませんでした。舞台で役者が演じるなら、そのキャラクターで笑いを取ることも出来るでしょうが、小説という形になってしまうとそれぞれの人間の醜悪さばかりが目について、少し嫌な感じの話になっています。そこがかえって米国製ホラーに似た感じになって、受け入れやすいかもしれません。 ホラーの部分に来ると、これもまた日本や欧州のようなシチュエーションから来る恐怖よりも、とにかく読者を驚かすほうに力が入った米国ホラーに似た展開になります。精神的な恐怖感というよりビックリハウスの怖さです。この感想を聞いたららもさんは喜んでくれると思います。らもさんはB級ホラーが好きで、この作品でもその世界の雰囲気を再現しようとしたとおっしゃっているので。 これを読んでとにかく思ったのは、これが舞台ではどのように演出されたのだろうかということです。もちろん舞台というのは演出者によっていかようにも変わるものですが、色々な解釈が出来るだろうなと思いました。 許せないのはラストですが、舞台の場合はこういうふうにまとめないとまずいんですかね? せっかくのホラーが夢落ちの一種で終わっては仕方がないと思うのですが・・・ 色々けちはつけられますが、とても面白い本です。演劇をやっている人は一度手にとって、自分なりの演出案を考えてみるのも面白いと思いますよ。 個人的には、「ガダラの豚」のほうが数倍怖くて面白いと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 27, 2006 10:09:34 PM
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