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カテゴリ:見て面白かったもの
今日は単行本が年に一回くらいしか出ない作家さんの作品が2点ほど出ていたので、ほくほくして購入しました。そのうちの一点がこれ、成田美名子さんの「花よりも花の如く」の9巻です。
これは非常に地味な作品です。まず、題材が「能」です。そう、日本の伝統芸能のアレです。大きな事件が起こるかというとそんなことはなく、いかにもありそうなことが淡々と書き綴られていきます。ここまで読んで、「え? マンガだよね」と思われた方もいると思いますが、マンガです。普通の雑誌なら、あっという間に打ち切られてもおかしくないこのマンガが、ちゃんと続いていくところが、白泉社の凄みです。 ここまで書くと、面白くないの? という疑問が出てくると思いますが、これが面白い。この作者はとてもまじめな人で、衣装や舞台、道具だけでなく、能にかかわる人たちのものの考え方まで、しっかりと伝えてくれます。普通の世界に生きている人と、芸能の世界に生きている人の、見ている世界、温度差がとてもわかりやすく伝わってくるのです。 出てくる人たちが特殊なわけではなく、ごく普通の悩み多きお兄さん、お姉さんが、自分の進む道として選んだ能で、世界の見方を得ていっていることが伝わります。 そんなお話なのですが、今回は少女マンガとしてみても非常にわかりやすい展開になっています。いわゆる色恋沙汰が展開しているのですが、それでもどこかもっと大きな世界にいるためか、おおらかな話になっています。続きが見たくてたまらないのですが、単行本はまた1年待たされるんだろうな… 【送料無料】花よりも花の如く(第9巻) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 8, 2011 05:16:19 PM
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