合格率と合格基準
11月9日に、平成30年度社会保険労務士試験の合格発表がありました。平成30年度の試験の受験申込者数 49,582人(前年49,902人、対前年 0.6%減)受験者数 38,427人(前年38,685人、対前年 0.7%減)そのうち、合格された方は 2,413人でした。合格された方、おめでとうございます。で、合格率は 6.3%(前年 6.8%)です。昨年の合格率に比べると高くなっていますが、6%台ですから、かなり低い水準です。合格基準は、<選択式試験>総得点23点以上 かつ 各科目3点以上 です。ただし、「社会保険に関する一般常識」及び「国民年金法」は2点以上です。<択一式試験>総得点45点以上 かつ 各科目4点以上 です。選択式の基準点、総得点としての23点というのは、問題の質から考えると少し低いかな?というところはありますが、結果として得点の低い受験者が多かったことから、平均点が下がり、基準点が1点引き下げられたところです。科目別の基準点は、2科目で引き下げられましたが、いずれにしても難しいとはいえないレベルの内容でしたが、勉強不足の受験者が多かったのか、「0点」「1点」の割合がかなり高いことから、引き下げられています。「労働基準法・労働安全衛生法」「労務管理その他の労働に関する一般常識」「厚生年金保険法」も2点以下の割合が5割を超えていましたが、1点以下の割合が引き下げられた2科目ほど高くなく、基準点を2点以上とした場合にその基準点を満たす受験者の割合が7割以上となってしまうことから、引下げが行われなかったようです。択一式については、平成23年度から25年度まで3年連続の46点、平成26年度と平成27年度は45点で、平成28年度は42点と下がりましたが、平成29年度は再び45点に上がり、平成30年度も同じでした。昨年度と同様、平成28年度の問題に比べると解きやすい問題が多かったというところから、平成28年度の水準までは下がらなかったのでしょう。問題の内容や基準点との関係で合格率を見ると、合格基準点が極端に高いわけではないにもかかわらず、合格率が低いという感じです。これは、ここ4、5年、同じように思えるのですが、基本がしっかりとできていないことにより、正解すべきレベルの問題で正解することができないという受験者が相当いるのではないでしょうか。また、基本がしっかりできていないので、応用的な問題に対応することができないというところもあるのではないでしょうか。ですので、平成30年度試験は、残念な結果になった方、来年度試験の合格を目指すのであれば、まず、当然、基本を確固たるものとして、「正確な知識」を身に付けて、得点できる問題を確実に得点できるようにしていきましょう。それに加えて、ここのところは、事例などの応用問題がかなり出ているので、そのような問題に対応することができる応用力を養うようにしましょう。