合格率と合格基準
11月8日に、令和元年度社会保険労務士試験の合格発表がありました。令和元年度の試験の受験申込者数 49,570人(前年49,582人、対前年 0.024%減)受験者数 38,428人(前年38,427人、対前年 0.003%増)そのうち、合格された方は 2,525人でした。合格された方、おめでとうございます。で、合格率は 6.6%(前年度 6.3%)です。昨年度の合格率に比べると少し高くなっていますが、平成27年度試験の2.6%、平成28年度試験の4.4%、平成25年度試験の5.4%、平成30年度試験の6.3%に次ぐ、過去5番目に低い率です!ですので、かなり低い水準といえます。令和元年度試験の合格基準は、<選択式試験>総得点26点以上 かつ 各科目3点以上 です。ただし、「社会保険に関する一般常識」は2点以上です。<択一式試験>総得点43点以上 かつ 各科目4点以上 です。選択式の基準点、厳しい空欄もありましたが、トータルで見た場合、ある程度正解することができるであろうという内容だったので、やはり平均点がかなり(3点以上)上がり、これにより、基準点が3点引き上げられました。科目別の基準点は、選択式で「社会保険に関する一般常識」が引き下げられました。「社会保険に関する一般常識」は、平均点が1.6点とかなり低く、3点にとどかなかった受験者の割合は81%でした。さらに、47.5%、およそ半分の受験者が1点以下でした。ですので、当然、基準点の引下げの基準を満たし、引き下げられました。「労務管理その他労働に関する一般常識」も3点に満たない受験者の割合が5割を超えていましたが、引き下げは行われませんでした。2点にしてしまうと8割以上の受験者が基準点に達ししてしまうという状況でしたので。択一式の基準点については、平成23年度から25年度まで3年連続の46点、平成26年度と平成27年度は45点で、平成28年度は42点と下がりましたが、平成29年度と平成30年度は再び45点となり、45点、46点が基準点になることが多かったのですが、これらの年度の問題と比べて令和元年度の問題は難しかったので、平成30年度と比べて平均点が2点近く下がりました。そのため、の基準点も2点下がっています。、問題の内容や基準点との関係で合格率を見ると、ここ4、5年と同じで、合格基準点が極端に高いわけではないにもかかわらず、合格率が低いという感じです。これは、基本がしっかりとできていないことにより、正解すべきレベルの問題で正解することができなかったという受験者や応用的な問題に対応することができなかったという受験者が相当いるのではないでしょうか。ですので、令和元年度試験は、残念な結果になった方、来年度試験の合格を目指すのであれば、まず、当然、基本を確固たるものとして、「正確な知識」を身に付けて、得点できる問題を確実に得点できるようにしていきましょう。それに加えて、ここのところは、事例などの応用問題がかなり出ているので、そのような問題に対応することができる応用力を養うようにしましょう。