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カテゴリ:催眠療法
瞬間催眠誘導法の本の冒頭から
第一章 この本の目的 1 催眠術独習書の決定版として 私が催眠術を覚えたのは、明治34年(西暦1880年)16歳の時でした。私は催眠術を職業とするつもりでなく、ただ趣味の中の一つとして、今日まで70年のあいだ楽しんできたのですが、その長いあいだ行ってきた経験に基づき、主として私が創案した他に類のない「長尾式瞬間催眠法」のかけ方ーーこれはまさしく瞬間です。一秒間の何百分の一の早さでかける催眠術で、相手に一指も触れず相当の距離にいて、ただ「はい」という言葉の合図だけで、個々の人にでも、または集団の人々にでも一緒にかける催眠術で、他の催眠術家のまねのできない方法ですーを読者の皆様にぜひ覚えてほしいと思い「催眠術独習書の決定版」とする意気込みを持って、この本を書きます。 ゆえに、この本は巷に流布されている、催眠術のできない自称催眠術家がお書きになった本や講義録のようなもの、あるいはトリックを用いて作った写真を掲げたもの、またはテレビなどでサクラを使って行う催眠術とは、断じて違うということを、まず最初に言明しておきます。 二 催眠術の公開実験 私は、多年にわたり各市区町村の教育団体、全国または各地方の医学団体、学術団体、青少年補導委員会など、公の団体の要請で、一年に数回または十数回、各地の公会堂、講堂等で、数千人の観衆の前で、催眠術の公開実験を行ってきましたが、私のように大観衆の中から未知に方に登場してもらって、ガラス張りのように明朗な公開実験をする人があったということを、いまだかつて聞いたことがありません。 有名無目名の多数の催眠術家は、テレビに出たり本を書いたりされていますが、しかし、私のように数千人の前での公開実験はできないのです。なぜならば、ガラス張りのような公開実験では、テレビのようにサクラを使ってごまかすことができないからでしょう。有名な催眠術家のサクラは、誰と誰であるということが、はっきりわかっているからです。 ゆえに、私は、催眠術に関しては、誰にも遅れをとらないだけの確信を持っております。 三 催眠術の普及発達を希望して 私は、齢80を越えていまして、私の寿命も限度がありますから、今の健康なうちに、このすばらしいと自負している独特の瞬間催眠法を、広く一般に普及して、社会に貢献させていただきたいと念願している次第です。 催眠術の本来の目的は、これを応用して性格の改造や病気の治療、悪癖などを矯正し、自己または他人の健康上や教育上に役立たせることが、もっとも大切な目的であります。 そこで、病気の治療については、まず確固たる科学的根拠に基づいてその病気の原因を探求し、これに対する適切な暗示を与えなければなりません。私は、多年にわたる催眠術治療の経験を基とし、かつ病気に関する医学の専門家の意見や、催眠術治療について先輩が残した文献等を勘案して、だれでもこの本を一読了解ができるよう、懇切丁寧に、わかりやすく書こうとするのであります。 このようなわけで、読者の皆様が、この本によって催眠術を習得せられ、これを応用して、 1、現在自身が悩んでいる病気または悪癖を自分でなおしたいと思う方 2、自分の性格の強化、または性格を改造したいと思う方 3、他人の病気を治療したり、悪癖を矯正することに役立たせようとする方 4、学校嫌いの児童、学生、その他青少年の非行を防止し、または矯正しようと希望される方 5、将来、催眠術を業として身を立てようと希望される方 6、単に催眠術に関心をお持ちの方 等々、大方各位のご愛読を賜り、この本を広く一般に普及し、大いに活用していただきたいと思い、努力を傾注して書きましょう。 長尾盛之助先生の開発された、この素晴らしい催眠法と、やさしく行える、幸せの催眠法の普及活動を行っていきます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.11.07 22:38:16
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