STEREOWOMAN　

ELLEGARDENの活動休止発表から４ヶ月

活動休止前のラストライヴも終わり、活動休止に入ってしまった

逆を言えば、このあとは終わりがなくて、再開なのだーと信じて

前向きになれるのだけどー

これまでも邦楽・洋楽問わず、ハマってきたアーティスト、バンドは

たくさんいたけど、ELLEGARDENはこれまでのバンドとは

違った観点で見て来た

３０年、いや４０年近くロックに親しんでると、現代の音楽事情は

ものすごく恵まれた状況にあると思う

TVをつければ、洋楽のPVですらいつでも見れるし、

好きな曲だけをダウンロードして、経済的に曲を手に入れれるし、

フェスで未知のバンドの音にも簡単に触れることもできる

私たちの若い頃に比べると羨ましい限りである

その反面、その便利さが、音楽に貪欲なまでの

がむしゃらさを失わせているのも事実だ

音楽や、ライヴは、楽しむものだ。それは理屈抜きにそうなんだ。

そんな中で、長年ロックに親しみ、助けられた者として

音楽にエコのような次世代に繋ぐものを考えるようになったのは

ここ１０年くらいかなぁ

音楽へのがむしゃらさは、これからも続いていってほしい

一つのライヴや、アルバムをきっかけに、音楽にのめり込む人は

決して少なくないと思う。

殊に、多感な若い時代にその感動を得ると、一生を左右するものになるかもしれない。

これまで、いいライヴをするバンドを見て来た中で、

たくさんのバンドが、最初は地方にもよく来てくれるのに

そのうち、チケットやグッズの価格は上がり

そのうち、アリーナやドームだけの年数回、もしくは数年に１回のライヴ活動になってしまう

ライヴがお金と時間のある人のものだけになってしまう

当初はオーディエンス目線で行われていた活動も

売れと名声が先行し、美辞麗句を並び立てた報道、ファンの声、さらには

上辺だけの台詞のようなMCになり、演出に頼ったライヴに変わる

こういう状況が当たり前の中で、ELLEGARDENは

頑固なまでに、細かく地方まで回るライヴ、低価格のチケット、グッズを貫いてきたバンドの一つだ（他にはken yokoyamaもそういう活動かなー）

これは、中高生が気軽に手を出せる価格設定なのだとかー

多くのお金や手間をかけて、あちこちの会場を追っかけてくるリピーターにも

決して媚はしない。

その地域の人のﾗｲｳﾞの機会というのを一番に考えたバンドだ

こういう活動こそが、次世代のロックバンドを産むのだと思う

私にとって、エルレはそういう理想のロックバンド像ではあったものの、

エルレに対し人としてハマる（以前細美が言っていた、擬似恋愛の対象）、

ことはもちろん、かといって、リスペクトするという気持ちもなかった。 

活動休止が発表されて、１０日ほど後に福岡で行われた野外フェスF-X

そこに登場したエルレは、驚くほどやつれていた

明らかに何かを抱えている様子

その姿に驚いたけど、ライヴの音はいつものエルレの音だ

あの変貌ぶりに可哀想だーとか心配した人も多かったと思う

当然の感情だ

そういう感情がなかったわけではないが、

心配よりも、彼らの大人としての立場、バンドという仕事人としてのこれからの事の成り行きを信じて行こうと思った

↑に書いた人としてハマる、リスペクトの対象とするのは簡単だけど

それが行き過ぎると、そのバンド（アーティスト）のいかなる言動も

事の良し悪しでなく容認してしまうようになり、

アーティスト側もそのファンの気持ちに甘えが生じて、落ちぶれていく様を

嫌というほど見て来たから、私にとってエルレの音楽はこの上なく好きなんだけど、

常に一歩おいた状態で見て来た数少ないバンドなんだ

活動休止発表の時も、そりゃ驚いたし、あのライヴが見られなくなるーという

辛さはあったけれど、

一呼吸おいて考えれば、バンドの歯車や事務所との意向が合わないままに

活動しているバンドやアーティストは山といると思う

でも、そういうバンドやアーティストが行うライヴはきっと上辺だけのものだろう

納得いかないままに、続けることもできたかもしれないけれど

あえて活動休止という形をとったのは、ある意味ファンに対して

誠実な対応なのだと思った

もちろん、先が見えない休止に、私も不安にはなったけどね

これまでの彼らのライヴや一貫した考えのMC

（ロックの火を消すな

ダメはものはダメと言ってくれ、俺たちが腐ってきたと思ったらダメと言ってくれていい、それが日本のロックを進化させる

言葉は２度言った時点で力を失う・・・・などなど）

そして先日聴いた

「ぜってぇ、飼いならされねぇからな！！！」

こういうものの積み重ねが、私にとってエルレを今までのバンドと違った観点で見れるようになって、前に進んで行けるんじゃないかな・・・と最近思ってきた

活動休止の延長線上に、もしも最悪の事態が待っていたとしても

それは、上辺だけを取り繕わない彼らの選択であると思う

約束したから、元通りになるー

そういう形でなく、あくまで納得した上で

再度また４人で姿を現してくれるのを、待っていよう

便利でお手軽な世の中

がむしゃらさがどんどん失われていく時代の中、

ELLEGARDENは、いい意味で大人になりきれない、がむしゃらな存在でいてほしい