カテゴリ:Blu-ray
久しぶりに、本当に久しぶりにブログを更新します。 劇場版‘傷物語-こよみヴァンプ-’をブルーレイで鑑賞したら、何となく文章にしておきたくなったのです。 劇場版三部作は何となく観ておりませんでした。 分割されてたのでわざわざ一つ一つ順繰りに観るモチベーションが湧かなかったし、ブルーレイボックスあたりで纏められた時にでも『購入して』観れば良いかな、とw(ちなみにワタクシ、物語シリーズのブルーレイ‘ボックス’は全て購入しております) …あれですよ、年取るとあんまり焦って観なきゃ、ってのが希薄になるんですな。 映画館に行くのも億劫になるし、それなりの設備を整えれば家庭での鑑賞も昔に比べれば格段に良くなってますし。 まぁ、それでも「二時間半の尺で編集された傷物語でも良い」ってなるあたり、こちとらがあまり拘らなくなった、とも受け取れるんですが… 実は‘あの原作’だと「一本の映画として纏めるべきじゃね?」と思っていたのも本音なんで。 三部作になった経緯も、グダグダと遅延していた製作も、何となく尾石監督の映画製作の未熟さゆえ―― 取り捨て選択が出来てないだけじゃね?~等とも、おこがましくも思っていたりしましたから。 もちろん、商売的な側面もあったのでしょうが。 しかし、しかしですよ、 あれだけの絵作りができる‘あの尾石達也’がどんな映画を撮るのか? あの‘ネギま!?’‘ぱにぽにだっしゅ!’‘さよなら絶望先生’のOPディレクターを務めた氏が、どんな映画を撮るのか?にはメチャクチャ興味がわきません? それで観ました、ええ観ましたとも。 ああ、なるほど、これが尾石監督の映画なんだと凄く納得できる作品でした。 で、ここからはかなりぶっとんだ極論を書きますよ? この傷物語というアニメ映画、個人的には‘ルパン三世 ルパンVS複製人間’と同じ志向と構造を持っているな、というのが素直な感想なんですな。 いろいろな映画やマンガの名場面を引用し、それをアートの域にまで高めてしまうという手法。 押井守監督なんかもそのクチなんですが、彼はやり方がもっと巧妙で、それは詐欺師の手法に近い(気持ちよく騙される映画、という意味では至福) しかし件の吉川惣司監督や今回の尾石達也監督はもっと下世話―― わかりやすくくだらないパロディを提示しながら、その実かなりハイレベルな自己表現=アートにまで到達しようといているのだ。 こうやって書いていると庵野秀明監督はどうなんだ?って事になるんですが、彼はまた違う。 何というか、快感原則なのだ―― もちろん彼自分にとってのね。 だからその快感を共有できる観客からは評価されるし、その逆もまたしかり。 ま、庵野監督の話はともかくだ。 尾石監督はまぎれもなくコピー世代でありながら、その卓越した映像感覚で下品なエログロナンセンス~パロディを一流アートにまで昇華できるクリエイターなのであるよ、うん。 だって傷物語の鑑賞中、ずっと静謐な美術館にいるような感覚だったもん。 様々な名画の名場面集の体を成したマモーに感じていた妙に高尚なアーティスティック感を、この傷物語でも同様に感じてしまったのだ、しょうがないじゃんw いちいち全部の絵に何らかの意味があり(いちいち此処では書きませんが……年をとったせいか正直メンドイw)、それが結構な『圧』を持ってこちとらに迫ってくるのだな。 あ、それと新房監督が主導してたら絶対美術館にまでは連れていかれないと思いますよw テレビの物語シリーズですと、せいぜい場末の単館映画って感じかね(これって褒めてますから) で、マモーや傷物語は映画の在り方として、ものすごく‘アリ’なんですよ、個人的に。 ただ吉川監督も尾石監督も、監督としてのその後の音沙汰がないってのがなぁ…… 何か命でも吸われてるのかしらんw それとも創作に満足しちゃうのか? 作らせてもらえなくなるのか? う~む。 あと最後に書いておきたいのが、傷物語の引用元があまりに個人的に好みのドンピシャでさ。 ゴダール、実相寺、タルコフスキー、ジョン・カーペンター、石ノ森章太郎……他にもまだたくさんあるけど、とりあえずここら辺をワタクシのオタク的な主張の一環として挙げておきます。 特にカーペンターはクライマックスの物体X描写もだが、ある場面での音楽の使い方があまりにそのまんまなので、思わず噴き出してしまいましたよw さてさて、こんな書き散らしの文章につきあってくれてありがとうございます。 それでは お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.08.08 15:40:05
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