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カテゴリ:四方山話
記憶しているのは、過去、3回ぐらい偶然、司馬遼太郎さんと会った。
初めて会ったのは、司馬さんが、まだ新聞社におられた頃である。 私が、仕事をしている所にお見えになった。 名刺をいただき、ご用件は何か、と尋ねた。何かの取材に来られたのかと思ったが、 違った。 当時、何を話したか、全く憶えていなかったのだが、一つだけ思い出した。 新聞社を辞めてから、何かしようと思うのだが、何をしようか考えているんですよ。 と言っていたのを思い出したので書いた。 新聞は読んでますか?と聞かれ、そんないい加減なものは読みません、特に政治欄は、 と答えると、ニコニコして、私を見ていたのを思い出す。 その後、何回、会ったか憶えていない。 記憶があるのは 一度目は、名古屋の千種区であった。歩いていると後から、とんとんと肩をたたかれて振り向くと、にやりとして立っていた。 二度目は、真夏のお昼頃、四日市の工業地帯のまっただなか、コンビナートのすぐ横の通りであった。 三度目は、名古屋の大須観音のそばであった。 わたしが電子パーツを探して、ぶらぶら歩いていると偶然、逢ったという感じである。 わたしが大通りに面した歩道をぶらぶら歩いていると曲がり角からふらりと出てきた。わたしが気づき立ち止まっていると、すぐ目の前まで手帳に何かメモしながら歩いてきて、じっと見ている私の目の前で、手帳から眼をはなして気づかれた。 司馬さんはいつも、淡々としていてグレイの背広とグレイのズボン、肩から黒いショルダーバックをさげていた。 いづれも立ち話ばかりで、かわりばえのしないお互いの近況を話して、最後は仏教の話になるのであった。 空海の事でいろいろ話してくださった。 空海は謎の人物ということで意見が一致したと思う。 露の中、ふと思い出しては懐かしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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